清澤のコメント:日本人の視神経炎の特徴を見極めるために500人の患者を集めての集計がなされました。この研究はその前1999年に行われたの調査(末尾に引用)と違って、アクアポリン4抗体とMOG抗体が検査できるようになってから行われたことに大きな意義があります。アクアポリン4抗体陽性が12%、MOG抗体が10%であり、どちらも陰性なものは77%でした。そしてどちらも陰性であった者のうち多発性硬化症と診断されたものは4%でした。ということは、アクアポリン4抗体とMOG抗体のどちらも陰性である視神経炎の大多数では視神経炎の原因は未だに決まってはいないということになります。
ーーーー抄録ーーーー
◎ 日本における視神経炎の疫学的および臨床的特徴 2019年5月
論文:日本における視神経炎の疫学的および臨床的特徴
アブストラクト
◎ その前に1999年に行われた同様の調査:筆頭著者若倉雅登(清澤も共著でした)
Baseline Features of Idiopathic Optic Neuritis as Determined by a Multicenter Treatment Trial in Japan March 1999 Japanese Journal of Ophthalmology 43(2):127-132
背景: 同じプロトコルを使用して、日本の 30 の臨床センターで視神経炎治療試験が実施されました。患者の参加は次の基準に基づいていました。14 ~ 55 歳の年齢層。原因不明または脱髄性の片側性視神経炎を示す急性症状; 14日以内の視覚症状;罹患した眼における相対的な求心性瞳孔欠損;および罹患した眼の正常または腫れた視神経乳頭。これらの患者のうち 70 人から分析用のベースライン データが得られました。日本人の視神経炎患者の人口学的特徴が明らかにされ、米国の研究と比較された。病気の特徴の人種差を示唆する日本人患者。このような違いは、日本人患者の多発性硬化症の発生率が低いことに関連している可能性があります。視覚機能テストの結果は、両方の研究で実質的に同じでした。米国の研究でも指摘されているように、半数以上の患者の非罹患眼は、ハンフリー フィールド分析で異常な平均偏差を示しました。 結論: 日本人患者における視神経炎のベースラインの臨床的特徴が定義されました。疾患の特徴には人種差が存在する可能性があります。
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