実地医科における高齢ドライバーへの指導ガイド:東京都医師会
この様な文書が目黒区医師会から届けられてきました。その概要を眺めてみましょう。
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Chapiter 1:高齢ドライバーに対する基本的診察姿勢と流れ。
1)基本的診察姿勢、運転を止めるべきか?運転に不安のある場合は免許の自主返納を勧めるのも方法です。医師の肌で感じる情報が一番頼りになります。認知症を疑う場合には①記憶・忘れっぽさ、②会話内容の繰り返し、③会話の組み立て能力と文脈理解、④見当識障害・作話・依存など。MMSEテストなどを行う。
2)診察の流れ:患者本人や家族から運転に関する具体的な話題を聞く。
Chapiter 2:安全ゆとり運転の患者への指導方法
①安全ゆとり運転。②安全ゆとり運転の内容(運転前に(1)運転の制限と選択、(2)運転前の準備。運転中に(3)速度を出さない、(4)運転に集中、(5)危ない人や車から離れる。③安全ゆとり運転の効用、7–8分の力で、自分のペースで運転させる。④患者別の指導方法。「運転の止め時のサイン」は同乗して怖いといわれる、2.バックが苦手、3.接近速度間違え、4,狭い道で車をこする。他の車のスピードについてゆけない。
Chapiter 3:運転に関する諸機能とその影響:
- 運転に関する視機能とその障害
- 視機能の低下に関わる疾患や症状、状態。「両眼で0.7以上、かつ、一眼でそれぞれ0.3以上、または一眼の視力が0.3に満たない方、もしくは1眼が見えない方については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.7以上あること」が免許取得、更新の条件。
- 面接・問診で注目すべきこと。
- 検査や評価のポイント。視力、視野、眼底。
- 診断および指導のポイント。白内障手術勧奨、基準を満たさぬ場合の告知、眼鏡装用の勧めなど。緑内障運転絵巻参照:https://youtu.be/raDEAjxOxxI
- 運転に関する認知機能とその障害
- 認知機能の低下に関わる疾患や症状、状態:高次脳機能の基礎となる処理億度や自己抑制機能は最も重要。全般的認知機能を指す。
- 面接・問診時で注意・注目すべきこと:注意機能、視空間認知機能、記憶機能などが影響。易怒性などがないか。
- 検査や評価のポイント:MMSEやHDS-Rが用いられる。
- 診断および指導のポイント:認知機能の低下は自覚しづらい。視空間認知に問題があれば、運転断念の方向で。患者の多くは運転断念が困難、段階的指導も。
- 運転に関する身体機能とその影響
- 身体機能の低下に関わる疾患や症状、状態:身体機能の低下は、特に「操作」に支障を生じる。
- 面接・問診時で注意・注目すべきこと:痛みや痺れ、筋力低下などが、運転や生活に影響を及ぼしているか?
- 検査や評価のポイント
- 診断および指導のポイント:機能改善が期待される疾患と身体機能低下が固定された疾患ではたいおうが異なる。
Chapiter 4:診察する際の情報。
- 医師が警察に患者の運転に関し相談する窓口
- 外来で運転に関する診察を行っている医療機関:西葛西・井上眼科病院運転外来
- 高齢ドライバーの運転教育の取り組み
Chapiter 5:高齢ドライバーを指導する際の情報
- 免許保有者が警察に相談する場合に窓口:警視庁運転免許本部高齢者対策課03-6717-3137
- セーフティー・サポートカーの情報:サポカー(衝突被害けいげんぶれーきを搭載)と、さぽかーS(ペダル踏み間違い急発進抑制装置)がある。
- サポートカー限定免許の概要
- 安全運転を支援する機器などの情報。1、ワンペダル方式、2,ペダル踏み間違い急発進抑制装置
- 運転見守りおよび安全運転を支援するサービス
Chapiter 6:病気を持つ高齢ドライバーに関する制度(関係法令、通知等)
- 高齢ドライバーと道路交通法
- 高齢者講習
- 道路交通法で規定される「安全な運転に支障を及ぼす一定の病気」:癲癇など
- 運転に医師がかかわる際の制度と法的位置づけ
Chapiter 7:医学系学会の指針・ガイドライン
Chapiter 8:Q&A 略
高齢社会における運転技能及び運転環境検討委員会には委員として福田敏雅(東京都眼科医会会長)と国松志保(西葛西井上眼科病院 副院長)の二人の眼科医が入っています。
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