全身病と眼

[No.1960] ロンバーグ病(パリーロンバーグ病、ロンベルグ病、進行性顔面片側萎縮症など)による顔面非対称:再訪

ロンバーグ病(パリーロンバーグ病、ロンベルグ病、進行性顔面片側萎縮症など)による顔面非対称

清澤のコメント:此の病名に接することがありました。ロンバーグ病は、顔の片側の組織が徐々に失われていく状態です。この病気は、眼球周囲の脂肪組織の変性消失による眼球陥凹が生じることが多いです1ロンバーグ病の原因は不明ですが、自己免疫疾患との仮説があります。治療には通常、手術が伴います。この疾患の概要を東京警察病院形成外科・美容外科のページを参考にまとめてみます。緑内障を含む眼症状に関する記載をまず採録します。

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パリー・ロンバーグ症候群の眼科症状

抄録:

パリー・ロンバーグ症候群は、その下にある筋肉や骨軟骨構造を含む顔の皮下組織に影響を与える、ゆっくりと進行する萎縮を特徴とする稀な疾患です。パリー・ロンバーグ症候群では、さまざまな眼周囲症状、眼球症状、および神経眼科症状が報告されています。最も一般的な眼周囲疾患には、眼球炎、まぶた、眼窩の変化などがあります。最も頻繁に起こる眼疾患には角膜および網膜の変化が含まれ、最も一般的な神経眼科疾患には視神経、眼球運動および瞳孔の機能障害が含まれます。特徴的な顔の異常に加えて、神経疾患、皮膚疾患、心臓疾患、内分泌疾患、感染症、歯列矯正疾患、顎顔面疾患などの全身症状が現れる場合があります。これまでのところ、主に簡単な症例報告で、これらの眼科所見が説明されています。したがって、眼、眼周囲、および神経眼科学的所見を詳細に要約し、診断方法を説明し、治療選択肢の概要を説明します。

キーワード: パリー・ロンバーグ症候群; 顔面萎縮症。線状強皮症アンクーデサーブル。モルフェア。進行性の片側顔面萎縮症。強皮症。

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ロンバーグ病(ロンベルグ病:Romberg、進行性顔面片側委縮症)などによる顔面非対称変形の治療

1.ロンバーグ病(パリーロンバーグ病、ロンベルグ病、進行性顔面片側萎縮症) について

ロンバーグ(ロンベルグ)病(別名では、パリーロンバーグ病、進行性顔面片側萎縮症)は、顔の片側が成長とともにだんだんと(進行性に)痩せて、凹んでくる原因不明の病気です。痩せと凹みは、皮膚・皮下組織(皮下脂肪、筋肉、顔面骨)が萎縮してしまうことで生じます。特に、12-13歳以降の思春期に、片側のいわゆる顔面の三叉神経支配領域といわれる範囲(ひたい・こめかみから下あごにかけての片側顔面全体)に、顔の痩せと凹みが目立ってきます。重度の場合には、片側の顔以外にも、首から上半身にかけても痩せと凹みが見られます。痩せと凹みの程度と範囲、またその進み具合には、個人差が非常にあります。

通常は、顔面の感覚(三叉神経)や顔の表情(顔面神経)が障害されることはありませんが、痩せと凹みが進行してくると、顔の表情にも障害が出てきます。顔の痩せと凹みの進行が止まるのは、個人差がありますが30歳前後です。

 

2.治療方針

進行性の顔面の変形に対してはこの記事の原版を公表している東京警察病院ほかの専門施設にご相談ください。この元ページでは年齢別に2つの場合を分けて方針を述べていました。

(1)10歳前後の思春期前に発症した場合

(2)思春期以降に発症した場合

顔面非対称の原因となる生まれつきの病気には、ロンバーグ病以外に第1第2鰓弓症候群、ゴールデンハー(Goldenhar)症候群やトリ-チャーコリンズ(Treacher-Collins)症候群、ナジャール(Nager)症候群の亜系など数多くあります。また成長に伴い生じる顎変形症の中にも、顔面非対称が生じる場合もあります。

パリー・ロンバーグ症候群:Parry-Romberg 症候群とは?

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