花粉症が増悪して来院する患者さんが増えており、ことに基盤に全身のアトピー性皮膚炎が有ると、この季節に眼症状も増悪する患者さんが少なくありません。
アトピー性皮膚炎に伴う強い眼瞼皮膚炎とは、アトピー性皮膚炎の患者さんが目のまわりの皮膚をこすったり叩いたりすることで、眼瞼(まぶた)の皮膚が炎症が強まる。
症状としては、眼瞼の赤み、腫れ、かさぶた、びらん、掻痒感などがあります。 重症化すると、眼瞼の変形や白内障、網膜剥離などの目の合併症を引き起こす可能性がある。
診断は、眼科医による眼瞼の観察や眼底検査などで行われる。 アトピー性皮膚炎の患者さんは、症状がなくても定期的に眼科で検査を受けることが必要です。
治療は、眼瞼皮膚炎の原因や症状に応じて異なりますが、一般的には、アレルギー性の炎症を抑えるために抗ヒスタミン薬の内服や抗生物質の眼軟膏の塗布などが行われる。ステロイド軟膏も急性症状を抑えるのに使用は可能ですが、常用させてしまうと、感染や眼圧上昇などを引き起こす可能性もあり、特に注意が必要。プロトピック(タクロリムス)軟膏や、デルゴシチニブ軟膏(0.5%)も試すことのできる軟膏製剤である。 また、眼瞼の清潔を保つために、ベビーシャンプーなどでまぶたを拭くことも効果的。白内障や網膜剥離などの目の合併症がある場合は、手術などの別の治療が必要になることもある。
追記:デルゴシチニブ軟膏(0.5%):新規ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤であるデルゴシチニブ軟膏(0.5%)の安全性と有効性が調査されている。軽度から重度のアトピー性皮膚炎成人患者を対象とし、デルゴシチニブ軟膏の安全性と有効性が確認されている。結果: 副作用を経験した患者は、TCS 治療の有無で副作用があった患者の総数は、それぞれ 43/224 患者 (19.2%) と 25/128 患者 (19.5%) であった。デルゴシチニブ軟膏のみを使用した集団(患者 128 人)において、目標を達成した患者の割合は40-90%である。デルゴシチニブ軟膏は疾患の重症度に関係なく安全であると考えられた。デルゴシチニブ軟膏単独でアトピー性皮膚炎をコントロールするだけでなく、重症度や症状に応じてTCSの併用も考慮することが重要。
アトピーに使えるプロトピック軟膏(タクロリムス)とは | 自由が丘 清澤眼科 (jiyugaoka-kiyosawa-eyeclinic.com)
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