全身病と眼

[No.2414] 肺がんで見られる眼症状には何が有る?

歌手の中曽根美樹さんが肺がんでなくなられました。ご冥福をお祈り申し上げます。

そこで、肺眼に伴って目に現れることのある症状を調べてみました。肺がんのすべてが其れを持つという事ではありません。

パンコースト症候群は、肺癌が肺の上端(肺尖端)から腕の神経に掛かる部分に広がる際に引き起こされる症候群です。この症候群は、以下のような症状を示すことがあります:

  1. 腕の痛みやしびれ:

    • 肺がんが腕の神経に影響を及ぼすことで、腕の痛みやしびれが現れることがあります。
  2. 腕のまひ:

    • 腕の筋肉が弱まり、まひが生じることがあります。
  3. 腕の筋力低下:

    • 肺がんが腕の神経に広がると、腕の筋力が低下することがあります。

また、このパンコースト症候群は、その分布から首の交感神経にまで影響する場合には以下の眼症状(ホルネル症候群)も伴う事があります。目を含めて頭頸部の交感神経線維は特有な走行をしています。

  1. ホルネル症候群:
    • まぶたの垂れ下がり(上眼瞼挙筋の後ろ半分が交感神経支配であって、その走行が肺尖部にかかります。)
    • 瞳孔の縮小(動向を開く作用、これも交感神経支配です。交感神経が瞳孔散大筋を働かせるので縮瞳します。)
    • 眼の落ちくぼみ(眼瞼下垂がそのように見えるという事でしょうか。緑内障に使うベータブロッカー点眼で眼窩脂肪がわずかながら萎縮するという話がありますから、交感神経の障害でも同様のことが見られるかもしれません。)
    • 発汗減少(発汗も交感神経の影響を受けています。ホルネル症候群では侵された側の顔の左右半分の発汗が低下します。)

これらの症状は、肺がんの進行によって引き起こされ、早期の診断と治療が重要です。患者さんには、これらの症状が現れた場合には早めに医療機関を受診するように伝えてください12

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