清澤のコメント:コロナ感染の第7波が始まったようですが、サル痘感染の世界的な拡大も話題になっています。そんな折、「サル痘患者とサル痘疑い例への感染予防策」が国立感染症研究所のホームページに掲載されました。診断が確定した患者に接する場合には眼の防御も必要だそうです。サル痘患者における結膜炎の合併頻度は23%だったという報告があります。
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(掲載日2022年6月15日)(一部改正2022年7月8日)
/国立国際医療研究センター国際感染症センター
サル痘は接触感染や飛沫感染を起こすが、日常生活の中で空気感染を起こすことは確認されていない。ただし、空気感染を起こすと考えられている麻しんや水痘との臨床的な鑑別が困難であるため、発熱と発疹がありそれらの感染症が否定できない間は、サル痘疑いの患者には空気予防策の実施が求められる。
医療従事者がサル痘確定患者に接する場合(検体採取時含む)は、患者を換気良好な部屋に収容し、N95マスク、手袋、ガウン、眼の防護具を着用する(患者のリネン類を扱う者や清掃担当者も同様)。
患者が使用したリネン類は、診断が確定するまでなるべく触れずに管理し、診断が確定してから適切な処理を行う。サル痘が確定したら、リネン類は、前述の個人防護具を着用して自身の粘膜に触れないように運搬し、通常の洗剤を用い常温で洗濯を行う*。手指衛生を頻回に行い、特にリネン類を扱った後は必ず手指衛生(流水と石鹸による手洗い、又は擦式アルコール性手指消毒薬での消毒)を行う。
患者が滞在する、又は滞在した環境は通常に清掃を行い、その後消毒(エンベロープウイルスに対して強い消毒効果を発揮する薬剤(消毒用エタノール等))を行う。廃棄物は感染性廃棄物として扱う。
サル痘疑い例やサル痘患者は、可能な限りサージカルマスクを着用し、水疱を含む皮膚病変はガーゼなどで被覆する。
サル痘疑い例やサル痘患者は、自宅等の滞在場所では、以下に留意する。
– 患者は同居人と肌や顔を接しないようにし、リネン類の共有を避ける。
– 患者が使用したリネン類は、病変や体液からの感染性粒子が飛散する可能性があるため、不用意に振り回したりせず、静かにビニール袋等に入れて運搬し、洗濯機に入れる。洗濯した後は再利用可能である。
– ベッド、トイレ、患者が接触した場所(家具や床など)は、使い捨て手袋を着用して清掃し、その後消毒薬で清拭する。清掃や消毒後は手指衛生を行う。
– 患者が使用した食器や調理器具は、石鹸や洗剤等で洗った後に再利用可能である。
– 常に十分な換気を行うよう配慮する。
* WHO、USCDC、UKHSAでは、温水による洗浄を推奨している。
全ての皮疹が痂皮となり、全ての痂皮が剥がれ落ちて無くなるまで(概ね21日間程度)は上記の感染対策を継続する。
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