全身病と眼

[No.1576] ブレインフォッグのリハビリ戦略:「診療研究」記事紹介

診療研究586に「ブレインフォッグのリハビリ戦略:慢性疲労症候群の麻酔科医が解説」;という記事が出ています。著者はカンピロバクター細菌感染症をきっかけに慢性疲労症候群を発症したという麻酔科医で、YouTuberなのだということです。一年半後に復職し麻酔科専門医を取得できたというが、週に2-4日は安静を要しているという。彼女は「痛みと疲労の可視化」を研究テーマにしたという。

コロナ後遺症:COVID-19 のパンデミック頭初からコロナ後遺症が懸念されたが、あまり注目はされなかった。2023年1月13日のNature誌のLong COVID major findings and recommmendationsという論文がある。COVIDのブレインフォッグも最初数か月を無理なく安静にすることができれば筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群に移行しないことも多い。WHOの推奨するリハビリには患者教育も含むそうだ。

 効果的なリハビリ介入には活動時のペース配分および脈拍モニターが役立つ。活動レベルは患者とともに評価することが必要である。

 労作性の症状悪化をクラッシュと呼ぶ。理学療法士の助けでクラッシュを抑え、活動できるようにする。労作後に症状悪化が見られる場合にはME/CMS移行リスクがあり、段階的理学療法は行わない。

 コロナ後遺症を患うのは病前に活動的で健康な人がほとんど。その人は回復しないことへの不安や焦り、憤りを感じている。医療不信もある。これには心理的安全性を優先する。オンライン診療の併用も良い。

コロナ後遺症の疲労症状:●ブレインフォッグ(記憶力と集中力の低下)。●極度の倦怠感(安静にしても休まらない)、QOLが低下する。●クラッシュ/労作後の症状悪化。身体活動の12-48時間後で起き、数日から数か月続く。●クラッシュの症状:ブレインフォッグ、発熱、睡眠障害、痛み、呼吸困難・動悸。●増悪因子:シャワー、入浴、歯磨きなど。ウォーキング、読書、書き物、デスクワーク、五感への刺激、感情的会話。

復職は焦ると、再休業へ:十分回復してからの復職を。失敗は精神的に大きなダメージとなり希死念慮にもつながる。

 主治医が復職診断書を作成する。それが患者から職場に提出される。

 職場で求められる回復レベルを主治医が正しく理解できるよう産業医に確認してもらう。復職には7-8割の回復を一応のめどとする。

 隔日勤務や3時間勤務など極端な軽減勤務は必ずしも望ましくはない。現場復帰できるかの判断基準は、「仕事に遅刻せずに間に合う時間に起きて、睡眠時間も7-8時間確保できるか」「現時点での日常生活で昼寝や横になる時間がどれくらいか」などが参考になる。

回復を早める3つのセルフマネジメント:リハビリとは、日常生活における機能を最適化し、個人の回復や適応をサポートし、潜在能力を最大限に発揮させることで教育、趣味、社会参加を可能にする一連の介入と定義される。個人に適したペーシングが安全な方法である。

①ストップ:限界に挑ませない声掛けを。②休息と睡眠、③呼吸リハ。3秒で大きく息を吸い、3秒止め、6秒でゆっくり吐き出す。

重力を味方にする方法:①下肢挙上、②腹臥位、裏技①として:脳を冷やす。裏技②は鼻うがい。

麻酔業務と慢性疲労症候群の両立:①時差出勤、②仕事中の回復体位。③クラッシュの対処法。座位か仰臥位で2分間、目をつむりゆっくり呼吸を繰り返す。

体調管理ヘルスケアアプリ:①ストレススキャンは心拍数の呼吸変動を見る。頭痛ーるは気圧グラフ。その他:略

「疲労の評価は医師にも難しい。」職場内のパワハラには「明るい職場応援団」などのページ参照。

緩くつながる。講座と生配信のつかいわけ:

「死なないで」は時に毒になる:

痛みもワクワクも一緒に、:怒りや不安が、痛みを強く、回復を遅らせます。好きな事やつながりが、痛みを和らげます。:とのことでした。

メルマガ登録
 

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。