近視進行抑制点眼液 リジュセア®ミニ点眼液0.025%の製造販売承認取得
本日、近視進行抑制点眼液 リジュセア®ミニ点眼液0.025%の製造販売承認取得のお知らせを参天製薬担当者からいただきました。この一般名はアトロピン硫酸塩水和物点眼液で、5歳以上、15歳以下の近視患者を対象とした国内第Ⅱ相試験(ORANGE STUDY)において有効性t安全性が検討され、「近視の進行抑制」を効能・効果として、日本で初めて承認された点眼剤です。近視の進行は視力障害を伴う眼合併症の発症リスクを増加させる事が知られています。しかし、これまで日本において、近視の進行抑制を適応として承認された治療法はありませんでした。:とのことです。
清澤注:この製品リジュセア®ミニ点眼液0.025%は従来シンガポールからの個人輸入品(マイオピン:0.01及び0.02%で5ミリリットル瓶)とは異なって、ユニットドーズになっているとのことでした。発売日等は未発表です。また、この製品にもシンガポール品と同様に保険適用はないとのことです。
ハンドアウトには、参考文献として:Haaman AEG et al. Invest Ophthalmol Vis Sci 61.49(2020)が示されていましたが、:これは近視の合併症を述べたものであって低濃度アトロピンの近視抑制効果を述べたものではありませんでした。
近視とその合併症に関するレビューとメタアナリシス
目的:この研究では、近視が引き起こす可能性のある合併症(近視性黄斑変性症、網膜剥離、白内障、緑内障など)や失明のリスクを調べました。
方法:2019年6月までに発表された近視の合併症に関する研究を集めて分析しました。近視の程度(軽度、中程度、高度)ごとに、病気の発症リスクを統計的に計算しました。
主な結果:
- 近視性黄斑変性症:高度近視では、この病気になるリスクが非常に高く、845倍も増加することが分かりました。
- 網膜剥離:高度近視の人は、網膜剥離になるリスクが約12倍。
- 白内障:
- 後嚢下白内障(視力に影響を与えるタイプ):高度近視で4.5倍。
- 核白内障(目の中心部分が濁るタイプ):高度近視で約2.9倍。
- 緑内障:高度近視の人は、約3倍リスクが高い。
- 失明のリスク:近視の程度が高いほどリスクが大幅に増え、特に60歳以上の人ではその傾向が顕著でした。
結論:
高度近視の人は、さまざまな深刻な目の病気や失明のリスクが最も高いですが、軽度や中程度の近視でもリスクは無視できません。この研究は、医療従事者や政策立案者に対して、近視予防や治療の重要性を強調する必要性を示しています。
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