清澤のコメント:一般の人にとって近視の患者さんの網膜動脈の口径が細く見えるということはさほど重要ではないですけれど、例えば高血圧の人ではその変化は注目されるべきものです。「近視眼底の評価では、画像が小さく見えるからその補正が必要だ」ということは東京医科歯科大(現:東京科学大)の教授だった所教授からも聞いたことがありました。
要点抄出と図:
この研究は、近視の目の網膜血管の口径がどのように変化するかを調べたものです。具体的には、目の長さ(軸長)が網膜血管の幅にどのように影響するかを調べました。研究の結果、目が長くなると網膜血管が狭く見えることがわかりましたが、これは実際には光学的な影響であり、生物学的な変化ではないことが示されました。
この研究では、目の長さを考慮して光学的な補正を行うことで、網膜血管の幅の変化が見えなくなることが確認されました。つまり、目の長さが変わることで網膜血管が狭く見えるのは、光学的な錯覚であるということです。
この研究は、網膜の特徴を正確に測定するためには、目の光学的な特性を正しく補正することが重要であることを示しています。
: The Optical Nature of Myopic Changes in Retinal Vessel Caliber
(The Optical Nature of Myopic Changes in Retinal Vessel Caliber – Ophthalmology Science)
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