コンタクトレンズ・眼鏡処方

[No.138] コロナパンデミック下でのCL装用:土至田 宏先生 講演内容抜粋

清澤のコメント臨床眼科学会の抄録を読み、ハンドアウトのあったものではそれをダウンロードして内容を確認しています。閲覧の期限は12月某日です。
順天堂大学医学部附属静岡病院眼科 土至田 宏先生の講義は「コロナパンデミック下でのCL装用」です。内容は常識的な話ではありますが、居間としては重要至極。その要点を抜き出してみましょう。2021/9/21の講演内容です。
はじめに:日本コンタクトレンズ学会では、新型コロナウイルス感染症パンデミックに伴う2020年4月の最初の緊急事態宣言発令を受けて、同月「新型コロナウイルス感染症流行時のコンタクトレンズに関する対応策」をホームページで公表した。その後、総説にまとめた上、学会HPでも公開した。ここではその対応策の概要を中心に解説したと。
(土至田 宏, 前田 直之:日本コンタクトレンズ学会誌 61:116-122, 2019)
新型コロナウイルス感染症とは?
• ウイルス名:重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)
• SARS-CoV-2による感染症名:coronavirus disease 2019(COVID-19)
• 日本の感染症法上の名称:新型コロナウイルス感染症 (Zhu et al, N Engl J Med ;382:727-33, 2020)

新型コロナウイルスの特徴(略)
• 構造:何層もの脂質でできたエンべロープ(保護膜)で覆われたたんぱく質分子
• 増殖:口・鼻または眼の粘膜の細胞に付着すると、倍々方式で増える。

新型コロナウイルスはどこから感染するか? 粘膜が最初のターゲット!
新型コロナウイルスの特徴
・ 新型コロナウイルスは自然に崩壊(減衰)する。しかし、ウイルスが崩壊する時間は温度、湿度や
付着したものによっても変わる(長く留まるものもある)
新型コロナウイルスの弱点は?
• 脂質でできた保護膜で覆われている構造
この保護膜の破壊法は?:脂質を分解させればよい!
有効な脂質破壊法=① 石鹸!:脂質でできているウイルスの保護膜を破壊するには、石鹸を泡立てて、身体の付着部をよく洗う! 石鹸をたっぷりと泡立てて20秒以上こするのが有効。

有効な脂質破壊法=② アルコール
・短時間(20~30秒)で効果が得られる/ ただし、粘膜(特に眼)へは刺激が強く、禁忌!
新型コロナウイルス感染拡大防止のためのポイント
1.「目を触らない」/自分がうつらないため。
2.目を触った手で「あちこち触らない」/他人にうつさないため。
3.目を触る前にも触った後にも/「よく手を洗う」
新型コロナウイルス感染症拡大期における眼科医の診療 10のポイント (眼科診療編)
1.一般の眼科医の個人用防護具は,サージカルマスク,眼鏡かゴーグル,必要時にグローブ。
2.細隙灯顕微鏡へのブレスシールド装着(効果は不明)。アプラのチップは次亜塩素酸で消毒。
眼科臨床現場における注意点/日本眼科医会 (日本の眼科 91(6):793, 2020)
3.患者の眼に触れる時(染色や点眼等)はグローブ使用,または後に石鹸で手洗い励行。
4.手指は石鹸で手洗いかアルコール消毒,物品表面は0.1%次亜塩素酸で後に水拭き。
5.スタッフもサージカルマスクを着用,医師も含めて全員が体温チェック等健康確認。
6.換気のため2箇所は窓等を開放。会話は簡潔に。患者の滞在は短く,早く帰す努力。
7.視野検査は密室で行うため延期を考慮。CLの新規処方は装用指導等が必要なため延期を推奨。
8.患者には待合室や診察室でポスター等を用いて,咳エチケットを強く推奨。
9.次回予約は,重症疾患でない限り長期予約を。病院から診療所への逆紹介も可。
10.濃厚接触者,疑い患者の診察時は,標準感染予防対策+接触・飛沫感染予防対策。
コンタクトレンズ未経験者に対する処方と装用練習/および処方変更を要する者への対応
1. 新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言下
未経験者に対しては、処方や装用練習は行わないことを推奨する。(例外あり)

2. 新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言解除後
未経験者の処方や装用練習時には、標準防護策を講じる。装用者には、以下の3点について指導する。
1) コンタクトレンズとコンタクトレンズケースを取り扱う前には、常に手を洗い、乾かす。
2) コンタクトレンズ装用時には新品であっても、常に手を洗い、乾かす。
3) コンタクトレンズを外すときも、常に手を洗い、乾かす。
もしも手指の消毒が十分にできない場合またはCL装用が心配な場合
1.一時的にCLから眼鏡装用に代える事も念頭に
1) 米国眼科学会の見解: 
・CL装用者は眼に触れる機会が多いため眼鏡への代用を推奨
新型コロナウイルス感染症の目に関する情報
・心配であれば、CLから眼鏡の装用に代えてもよい
2) 日本眼科医会の見解:
・CLをはめるとき、はずすときには手洗いの徹底を
・CLをはめるときと、はずすときには手指が直接目に触れる目に触れる前後の十分な手洗いが感染予防に役立つ
・CLを使用する際には、普段どおりに、CLの消毒やこすり洗いもしっかりと行ってください

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。