コンタクトレンズ・眼鏡処方

[No.2113] コンタクトレンズ装用眼の Quality of Vision:高静花先生記事紹介

清澤のコメント:最新号の「日本の眼科」で「眼科医の手引き」に大阪大学大学院医学 高静花先生がコンタクトレンズ装用眼の Quality of Vision(QoVを紹介しています。記事では、水濡れ性の高いレンズや保湿成分添加型レンズが見え方の安定性に有利である低加入レンズ装用時の QoV改善なども述べられています。眼科医もこのような新しい製品の傾向に付いてゆくべきなのでしょう。

   ーーー記事の要旨ーーーー

  • コンタクトレンズ装用眼の Quality of Visionとは,コンタクトレンズ(CL)が眼表面上で動くことによって生じる見え方のゆらぎや眼不快感など,CL 装用時の視機能や視覚体験の質を指す。1
  • SCL の水濡れ性・素材と見え方とは,ソフトコンタクトレンズ(SCL)の素材や保湿成分が,涙液の乱れや高次収差の変化に影響し,見え方のゆらぎや眼不快感(contact lens discomfortCLD)を引き起こすことを指す。波面センサーを用いた視機能検査により,水濡れ性の高いレンズや保湿成分添加型レンズが見え方の安定性に有利であることが示されている。
  • 低加入レンズ装用時の QoV調節とは,遠方の見え方を損なわずに近方も楽に見られるように設計された低加入 CL(加入度数+0.25 D,+0.50 D)が,老視世代ではない若年層においても調節反応を軽減し,Quality of Vision を向上させることを指す。
  • CL は以前は視力を補正する手段でしかありませんでしたが、現在では水濡れ性の高い CL や調節反応軽減を目的とした CL などが開発され、現代人のライフスタイルにマッチした Quality of Vision を提供できるようになりました。
  • シリコーンハイドロゲルレンズは、瞬き後の視覚の変化が安定しており、各レンズメーカーはさまざまな改良を行っています。
  • 低加入 CLは、遠近両用 CL よりも遠方の見え方が良好で、近方も見やすいため注目されています。特に、老視世代ではない若年層において、加入度数+0.50 D の低加入 CL を装用すると、調節反応が軽減され、遠方視力と近方視力の変化はありません。
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