コンタクトレンズ・眼鏡処方

[No.2632] 小中学生の遠視について説明します。

小中学生の遠視について、症状と検査、治療法について説明します。3歳児検診で遠視が見つかることが多いのですが、小中学生になってからそれが見つかることもあります。

遠視とは?

遠視は、目がリラックスしている状態のとき、見たい物の映像が網膜の後ろで焦点を結ぶ状態を指します。物をはっきりと見るためには、必ず「網膜の上で焦点を結ぶ」必要があります。遠視の子供は目を開けている間、ずっと調節力を使い続けているため、遠視が強いほど疲れやすく、集中力が続きにくいといった特徴があります。時には遠方の裸眼視力が保たれていても、近方での裸眼視力が低下します。放置すると遠視の強い方の目が弱視化するリスクが高まります。勉強が嫌いなのではなく、集中して見ることができないのかもしれません。

遠視の症状

小中学生の遠視には以下のような症状が現れることがあります:

  • 遠くの物がぼやけて見える: 遠視の子供は、遠くの物をはっきりと見ることが難しいことがあります。近く物は更にぼやけて見えているはずです。
  • 集中力の低下: 遠視が強い場合、調節力を使い続けるため、集中力が続きにくくなり、勉強に集中できないなどの影響が出ます。

遠視の検査

眼科医は遠視を検査するためにいくつかの方法を用います:

  1. 視力検査: 通常の視力検査で、遠視の程度を確認します。検査で「0.6未満」の視力が出た場合、多くの場合には近視ですが、中には遠視の場合があります。
  2. 瞳孔散大検査: 瞳孔を拡大して、自分の目の調節力を止め、素の屈折状態を見ます。最初はミドリンPでも行われますが、更にサイプレジンやアトロピン点眼を加えるとより詳しい状況が解ります。
  3. 眼底を観察し、遠視以外の治療を要する変化も除外します。

遠視の治療法

残念ですが、遠視そのものを訓練などで直してしまう事はできません。しかし、遠視の子供には、遠視用のメガネを装用することで対処できます。遠視用のメガネは、中心が膨らんだ凸(とつ)レンズを使用し、調節力を使わなくても網膜の上に焦点を結ばせることができるようにして対応します。メガネをかければ、楽に物を見ることができ、学習への影響を心配しなくて済むようになります

遠視の子供は、普段からの観察と定期的な眼科健診を受けることで、早期に発見し、適切な治療を行いましょう。

遠視の子供は近くを見ようとする努力が眼球の向きに影響を及ぼして、内斜視を示すこともあります。この調節性内斜視も眼鏡をかけることで消失ないし減少させることがで、すぐには斜視手術にはなりません。

もしさらなる質問があればお気軽にお聞きください!

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