コンタクトレンズ・眼鏡処方

[No.1255] 眼鏡作成技能検定の最終結果公表:時計工芸新聞

清澤のコメント:令和4年12月5日の時計工芸新聞に眼鏡作成技能士合格者の最終結果公表が有ったという記事が出ています。合格率は1級約4%、2級30%、特例講習会1級は99%であったという事でした。この資格は眼鏡業界初の国家資格で、指定試験機関は公益法人「日本眼鏡技術者協会」が11月26日に第1期眼鏡作成技能検定試験の最終結果を公表しています。総受験者数は7632人(一般受験者1699人、特例講習受講者5933人)、うち最終合格者は6089人(一級26人、2級355人、特例講習会1級5708人)で合格率は約4%、約30%、約99%だったという事です。特例講習会1級というのは既得の資格保持者を守るように、従来から難関であったという認定眼鏡士のSS以上を持っていた人たちが、一時間の特例講習を受けさせたうえで、マークシートの試験を行ったという事のようです。

◎ 同じページに「昔者愚行」という傘一刀氏による「2011年4月の回顧メモ」が掲載されている。今回の眼鏡技術士制定にも大きく関連するからこの記事を抄出してみよう。

 傘一刀氏のいうところでは、ーーー要点抄出開始ーーーー

 眼鏡は業界が生産する生活必需品であり、これが社会的再生産につながり、経済・社会・文化の発展に貢献している。しかし、業界の実態はこうした社会貢献の重要な部分を忘れたかのように内向き志向に陥っている。これを業界の枠を超えた外向き(社会)志向に転換させることが大事だ。市場規模の縮小などの背景を受け、眼鏡の重要部分である技術・学術などのソフトの追及は、自己満足の範疇にとどまっている。これは眼鏡装用者(消費者)の域を超えた社会性への意識が業界になくなりつつあることの証左といえよう。

 眼鏡業界は医療用具を扱う業界であることを再認識の上、国民福祉との関係を考えてみたい。、、 業界には年間1500万人から1700万人の人たちがQOLとハピネスを求めて店を訪れる。、、 だがこの人たちの視力保護(眼鏡)、あるいはビジョンケアに対する社会に向けた意識が業界にどのくらいあるかが問題である。眼鏡を雑貨として、あるいは価格先行意識の中からでは、社会性の極めて高いQOLと国民福祉の視点からそれを見出すことはできない。超高齢化社会に入り、眼科との連携は重要度が増している。、、、老眼鏡を個々に寄付するだけではなく、こうした機関と業界組織(機関)としての恒久的な連携を通して。法制化を志向する眼鏡業界としての社会貢献が見えてくるのではなかろうか。

なぜこれまで眼鏡技術者国家資格制定の動きは、戦後3回も挑戦してできなかったのか?その間、規制緩和が進み医療器具としての危険度は最低のレベル1となり、眼鏡店開業の届け出制も廃止され、視力測定機器類も規制から外され添付文書のみとなり、資格制度との距離は遠のくばかりとなった。眼鏡法制化の必要性は、社会にとって有益であるとの視点が重要になる。、、もちろんQOLを追及してゆく過程で、眼科との協力体制は最重要課題であることは言うまでもない。

   ーーーーーー要点抄出終了ーーーーーーー

要点は、眼鏡業界が持つべき視力保護(眼鏡)、あるいはビジョンケアに対する社会に向けた意識の重要性と眼科との協力体制が最重要課題であるという事だったようです。

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