ソフトコンタクトレンズの便利さと、その裏に潜む危険な使い方について
ソフトコンタクトレンズは便利で快適ですが、誤った使い方は角膜炎や失明につながる危険もあります。期限を守らない、つけたまま寝る、水道水で洗う、長時間装用などは特に要注意です。今回は、患者さんにぜひ避けていただきたい「危険な使用法」をまとめました。
① 使用期限を守らずに装用を続ける
「1日使い捨て」を翌日も使う、「1週間タイプ」を2週間以上使い続けるのは危険です。レンズは劣化し、細菌や汚れが付着しやすくなります。その結果、角膜炎や角膜潰瘍を起こし、視力に深刻な影響を与える可能性があります。「もったいない」は最大のリスクです。
② 就寝中の装用
「少し寝るだけ」と思っても危険です。睡眠中は涙の循環が止まり、角膜が酸素不足になりやすく、細菌感染のリスクも増します。たとえ短時間でも、つけたまま寝ないことが原則です。
③ 水道水での洗浄や保存
水道水にはアカントアメーバという微生物が存在します。これが角膜に感染すると重症角膜炎を引き起こすため、水道水での洗浄は厳禁です。必ず専用の洗浄・保存液を使用しましょう。
④ 手を洗わずにレンズを扱う
清潔でない手で触れると、細菌やウイルスが角膜に届きます。装用・取り外しの前は必ず石けんで手を洗い、清潔に扱うことが大切です。
⑤ 装用時間の超過
推奨装用時間を大幅に超えると角膜が酸素不足になり、充血や角膜障害を招きます。突然の強い痛みや視力低下につながるため、長時間の装用は避けましょう。
⑥ 自覚症状を軽視する
異物感や充血を「我慢できる」と放置するのは危険です。症状が続くときはすぐに使用を中止し、眼科を受診してください。
まとめ
ソフトコンタクトレンズは正しく使えば快適で安全ですが、誤用は大きなリスクを伴います。「少しぐらい大丈夫」と思わず、期限・装用時間・ケアを守りましょう。当院では安全な使用をサポートするため定期検診をおすすめしています。次回は「ハードコンタクトレンズの危険な使用法」を解説いたします。
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