親子で道を歩いていて、車が来たので親が子供の進路を調整しようとした瞬間に親の手指の爪が2歳児の目に当たり、子供は痛みを感じて大泣きしたと言っています。受傷の一時間後に来院しました。瞼にはまだ腫れも無く、少し左目に充血は有りますが自分で開瞼できています。デマルで瞼を開いて顕微鏡で見ると水平方向に擦過傷が認められました。このような症例の取り扱いについてまとめてみます。
角膜擦過傷は、眼球の透明な前表面(角膜)にできた傷のことで、通常は著しい不快感(痛み)とともに目の充血、涙目、そして光過敏を引き起こします1。乳児の場合、特に注意が必要です。以下に、診察と注意点を述べます。
診察:
- 症状の確認: 乳児は自分の症状を言葉で伝えることができないため、親御さんから詳しい症状を聞き出します。例えば、赤ちゃんが異常に泣いたり、目をこすったりしているかどうかなどです。
- 視力検査: 乳児の場合、視力検査は困難ですが、視覚反応や追従反応を見ることで視力の異常を探ります。
- 眼底検査: 瞳孔を広げて眼底を観察します。これにより角膜の傷や異物、炎症などを確認します。
注意点:
- 早期治療: 角膜擦過傷は早期治療が重要です。治療が遅れると感染症を引き起こす可能性があります1。(予防的に抗生剤と角膜保護剤点眼を処方)
- 目をこすらない: 目に何かが入った場合や不快感がある場合でも、目をこすらないように指導します。目をこすると、角膜擦過傷が悪化する可能性があります2。(眼帯の使用も親が勝手にしないことを指導しました)
- 定期的なフォローアップ: 治療後も定期的に眼科医の診察を受けるように勧めます。これにより合併症の早期発見や適切な治療が可能となります1。(屈折値は痛みが落ち着いてからスポットビジョンスクリーナで視ようかと考えました。)
何か今と変わった異常を感じたらすぐに医師に連絡するように強調しました。子供の目は非常にデリケートであり、早期発見と早期治療が最善の結果をもたらします31。
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