清澤のコメント:米国では大学病院から離れた地域も多く、著者の属するカリフォルニア大学は、遠隔の未熟児網膜症スクリーニングを提供しているが、それにAIを使えれば有効だと述べています。早くも今年のOphthalmology Retina新年号の目録が届きました。その編集者言は人工知能が早産児網膜症のスクリーニングを改善する可能性というものです。大学病院にいたころは、未熟児の眼底検査を依頼されることがありましたが、いつも薄氷を踏む思いで見ていました。散瞳材を点眼させたはずだが時間がたっても十分に散瞳してないというのは、それ自体が危険信号です。
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- Artificial Intelligence Poised to Improve Retinopathy of Prematurity Screening
概要は以下のとおりです:
- :この記事は、人工知能(AI)が早産児網膜症(ROP)のスクリーニングにおいて、タイプ1と呼ばれる治療を必要とする病期の判定において、専門家の間での不一致を減らし、正確性と効率性を向上させる可能性があることを主張しています。
- VSSアルゴリズムの有用性:この記事は、VSS(vascular severity score)というAIアルゴリズムが、ROPの血管の重症度(プラス症)を評価し、タイプ1とタイプ2(タイプ1より軽度)の病期を区別できることを報告しています。VSSは、ゾーンやステージといった従来のROPの評価基準と相関し、治療のタイミングを決定するのに役立つと考えられます。
- タイプ1の定義と実践のギャップ:この記事は、タイプ1のROPの定義が、広角画像の記録がない時代に作られたため、客観的な基準に基づいていないことを指摘しています。また、タイプ1の判定は、画像の形式や表示方法、病変の経過などによって変わる可能性があることを示しています。そのため、タイプ1のROPの診断には、個人差や時間差が生じる可能性があります。
- 参考文献:このページには、多くの参考文献が含まれています。これらの文献は、ROPのスクリーニングや治療に関する最新の研究や知見を提供しています。
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