糖尿病網膜症・加齢黄斑変性・網膜疾患

[No.2268] SGLT2阻害薬の糖尿病患者の網膜症に対する効果:記事紹介

清澤のコメント;わたくしは最近GLP1阻害薬(オゼンピック等)の有効性に着目して、「GLP1阻害薬が網膜症リスク低下とも関連しそうである」という記事をこのブログに記載しましたが、本日メディカルトリビューンを見ますと、関連する論文が紹介されています。記事にリンク⇒糖尿病・内分泌|眼|医療ニュース|Medical Tribune (medical-tribune.co.jp)

その原著は;. 2023 Dec 1;6(12):e2348431

Sodium-Glucose Cotransporter 2 Inhibitors and Risk of Retinopathy in Patients With Type 2 Diabetes

   ーーー記事要旨ーーー

  • 韓国のコホート研究では、SGLT2阻害薬の新規使用は、他の血糖降下薬と比較して、網膜静脈閉塞症のリスクを有意に増加させたが、糖尿病性網膜症のリスクは有意に低下させた。
  • 網膜静脈閉塞症のリスク増加は、高齢者や慢性腎臓病患者で顕著であった。
  • SGLT2阻害薬の網膜症に対する効果は、その作用機序や病態によって異なる可能性がある。
  • 清澤注(Bing を使用):

    GLP1 inhibitor (GLP1阻害薬)とSodium-Glucose Cotransporter 2 Inhibitors(SGLT2阻害薬)は、ともに2型糖尿病の薬ですが、異なる作用機序を持ちます。両者は、それぞれの作用機序によって、心血管疾患や腎疾患の予防にも有効であることが臨床試験で示されています。しかし、両者の直接的な比較を行った臨床試験はまだ少なく、どちらが優れているかは一概には言えません。両者の併用療法についても、安全性や有効性に関するデータはまだ不十分です。糖尿病の病態や合併症の有無、副作用の耐容性などに応じて、適切な薬剤を選択する必要があります。GLP1受容体阻害薬は、消化管ホルモンに結合してインスリン分泌を促進し、血糖を低下させるとともに、食欲を抑えて体重減少や血圧低下などの効果を示します。上記のSodium-Glucose Cotransporter 2 Inhibitors((SGLT2阻害薬))は、腎臓の近位尿細管にあるSGLT2というタンパク質を阻害して、尿中にグルコースを排泄させることで血糖を低下させます。また、尿糖排泄によるカロリーロスや利尿作用によって、体重減少や血圧低下などの効果もあります。

  • ーーーーーーーー
  • 糖尿病網膜症に対するGLP-1アゴニストの保護効果:論文紹介

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