清澤のコメント:眼科医諸兄にお願いです。乳児虐待症候群の眼症状が再び話題となっています。公立病院や大学病院の眼科では小児科や救急外来からの紹介(照会)を受ける場面も少なくないと思われます。
「重層性で多発性の網膜出血」というのが乳児虐待を疑わせるキーワードの様です。子供を暴力から守ることがまず大事です。しかし、相談された眼科医がうっかり「重層性で多発性の網膜出血」だから、「乳児虐待の症例である可能性が高い」と診断を下すと、その診断だけを決定的な根拠に、児童相談所による乳児の保護という美名と善意での「親と子の数か月を超える悲惨な引き離し」が始まってしまう恐れがあることも忘れないでください。(末尾に読売新聞の記事引用)
◎ MAR 2015
Pediatric Ophth/Strabismus ⇒(PDF Version)
というものがあって、その中には:
「眼科医は、虐待による頭部外傷が疑われる場合、相談の要請に迅速に対応できるように準備しておく必要があります。他の関連所見や負傷につながる可能性のある出来事の目撃歴に基づいて虐待による頭部外傷の疑いがある場合は、眼科への相談が適切です。さらに、発作や無呼吸など、原因不明の突然の生命を脅かす出来事を経験した子供には、相談が適切な場合があります。網膜出血は、受傷後 24 時間以内に回復し始めるか、ある程度悪化することさえあります。したがって、タイムリーな眼科的評価が重要です。写真による文書化は必須ではありませんが、後で所見を思い出すのに役立つだけでなく、医療関係者やその他の当局に網膜損傷の程度を伝えるのにも役立ちます。光コヒーレンストモグラフィーおよび静脈内フルオレセイン血管造影による補助的な検査も有用な場合があります。臨床メモは必須であり、 (手描きの図の有無にかかわらず)すべての眼の所見の数、範囲、パターン、タイプ、および側性を慎重に詳述する必要があります。調査結果は、多くの施設にある責任ある小児児童虐待チームと連絡を取る必要があります。そのような支援がない場合、眼科医は適切な州または地方の報告経路を通じて児童虐待の疑いを報告する法的義務を履行しなければなりません。目と眼窩組織の死後検査のためのプロトコルが公開されています。」との記載があります。
◎またイギリスでは2013年に
Abusive head trauma and the eye in infancy August 2013
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