清澤のコメント:18日の日刊ゲンダイデジタルに子供のドライアイが注意されていて、山田昌和先生と有田玲子先生がコメントを寄せていた。子供のドライアイを近視進行との関連で論じている。
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子供の「ドライアイ」に要注意! 目の不調に加え近視リスクも
写真はイメージ
スマホやタブレット、パソコン(VDT)の使用が日常になっている今、大人だけでなく子供も角膜のケアに注意すべきだ。専門医に聞いた。
■親がアイケアをしていない家庭ほど子供も無頓着 眼球の一番表面の部分が角膜だ。角膜は生きた細胞がむき出しになっており、涙液の層が角膜を覆って細胞を守っている。ところがVDT作業に集中するとまばたきの回数が4分の1に減少。それにより涙液が減少し、目の表面が乾く。さらに、エアコン、ハンディー扇風機、マスクから漏れる呼吸、コンタクトレンズの使用などが加わると、目の表面の乾きが一層ひどくなる。
杏林大学医学部眼科学の山田昌和教授が言う。
「涙が異物を洗い流して角膜を守っているのですが、涙液層が不安定になると、角膜がむき出しになって異物で傷つきやすくなります。涙がほとんどない状態になると、まばたきだけでも角膜に傷がつくようになるのです。本来、角膜には自己修復機能が備わっています。しかし、それが追いついていない」
涙液層が不安定になった状態(涙が減って目の表面が乾いた状態)がドライアイだ。これが続くと、前述の通り角膜に傷がつきやすくなる。これを角膜上皮障害という。
「大人の角膜上皮障害も問題ですが、近年、多くの眼科医は子供のドライアイに危機感を抱いています。従来、子供はドライアイと関係なく中高年の病気、という認識を眼科医は持っていた。しかし、そうではなくなってきている。なかには角膜上皮障害を伴うケースも出てきているのです」(山田教授)
先駆けて論文が発表されたのは2008年。3443人の高校生を対象にドライアイ検診を実施したところ、男子21%、女子24.4%にドライアイ症状があり、角膜上皮障害を伴う人は男子4.3%、女子8%。
別の調査で、VDTの利用時間は、06年の67分に対し、22年は約3.8倍の254.7分という報告もある。子供のドライアイは、08年の結果よりも増加していることが容易に想像できる。
「角膜に傷がつけば、文字がぼやける、目が常に乾いてショボショボする、目がかすむ、寝ても疲れ目が解消しない、痛みを感じるなどの症状が出てきます。見えづらいからと目を凝らしてものを見るようになり、毛様体筋の緊張が続いて近視のリスクが高まる可能性もあります」(山田教授)
そう多くはないケースではあるものの、角膜の傷が菌に感染し、感染性角膜炎から失明……といった最悪のパターンもありうる。子供の場合、目に何らかの不調、異常があっても、それをうまく言葉にして伝えられないこともある。
■すぐ実践できる3つのアイケア
伊藤医院眼科の有田玲子副院長は「親がアイケアをしていない家庭のほとんどが、子供もアイケアができていません。大人も子供も目を酷使する時代ですから、大人から率先して実施する必要がある」と指摘。すぐに実践できる方法として有田副院長は次のことを挙げる。
【目を温める】 「温めると涙の蒸発を防ぐ油層が適切につくられ、涙の質が上がります」
【ビタミンA入り点眼薬を使用する】 「ビタミンAには角膜修復機能があります。防腐剤無添加の商品を選んでください」注1:(ビタミンA)
【まばたきエクササイズをする】 「まばたきをした際、上下のまぶたがきちんと閉じられていない人が少なからずいます。これはまばたきの筋肉が弱っているのが要因。そのトレーニングとして習慣化して行ってほしい」
まず、目をパチパチまばたきし、ぎゅーっと上まぶたに力を入れる。このとき、眉間にシワを寄せるのは間違い。次に、まぶしいときによくする上目でパチパチする。指でこめかみを引っ張り「きつね目」にして目を閉じる。これを5回1セット、1時間ごとに行う。
今日から親子で実践だ。
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ちなみに:myopia x dryeyeではScientific reportsにHazra, D., Yotsukura, E., Torii, H. et al. Relation between dry eye and myopia based on tear film breakup time, higher order aberration, choroidal thickness, and axial length. Sci Rep 12, 10891 (2022). https://doi.org/10.1038/s41598-022-15023-x という慶応(坪田、根岸ら)からの原著論文がありました。
清澤注1:こればかりではないであろうが、「ビタミンA」を配合した点眼薬は2017年11月10日に記事がある。
「ビタミンA」を配合した新たな点眼薬によるドライアイ患者への有効性向上を発見
ライオン株式会社は、点眼薬中に溶解しにくい有効成分「ビタミンA(レチノールパルミチン酸エステル)」を微粒子として均一に分散させることにより、高い有効性を発揮させる技術について基礎研究を行ってきました。そしてこの度、新たに開発した点眼薬が、ドライアイ患者に対する有効性を向上させることを発見しました。本成果は、第121回日本眼科学会総会(2017年4月6日、東京都千代田区)、第33回日本DDS学会学術集会(2017年7月6日、京都市)、第56回日本油化学会年会(2017年9月11日、東京都新宿区)で発表するとともに、医学雑誌「Drug Design, Development and Therapy」に論文を掲載した。
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