社会・経済

[No.1885] 退役軍人評価サービスの紹介

週に2回ほど在日米軍の退役する兵士に対する退役時健康診断を通常診療の合間に行っています。私はこの業務を、無料の英会話教室の様なつもりで引き受けています。当医院への外国人の受診も最近は珍しくはないですけれど、当眼科クリニックを受診されたときに外国人と隣り合わせた方もいたことと思います。その一部は在日米軍関係者です。

この診察は、個別の治療を目的としたものではなく、兵士として服務している間に緑内障その他が進行して視力に問題を生じたりする様な人に対して、「米国政府として補償する必要があるかどうか」の判定を「評価者:reviewer, evaluator」に求めるというものです。主治医ですと患者さんと担当医師の間でのバイアスがかかる恐れがあるので、例え横須賀海軍病院で加療中の米兵(陸、海、海兵隊、空軍)であっても中立的評価者としての診断をします。

この米国退役軍人省に対してこの評価者としての地位を維持し続けるためには、継続的な講習を受ける必要がります。これが案外厄介です。毎年10時間程度のスライドとオーディオ教材を視聴した後に短いテストに答えて、その項目を終了した証明を受けることになります。

今朝は、朝からヒューストンのVES社(退役軍人評価サービス社)のヒトミさん(日系人)とビクトリアさんに加わってズーム会議を開いてもらい、具体的な受講必要項目の確認や受講方法の指示を受けました。私の分野は「眼科医およびオプトメトリスト」の分野です。講義内容には法的な文言もあって、なかなか難解です。

最近米国では退役軍人病院での眼科医療を眼科医師限定からオプトメトリストにもできるように制度の改変が行われようとされており、眼科学会内での議論もにぎわいました。関連記事です。

米退役軍人省の連邦ディプロマシープロジェクトと医療実践の範囲:記事紹介

 

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