社会・経済

[No.2800] 書いてはいけない 森永卓郎:再訪

森永卓郎氏は、「書いてはいけない」では、日本航空の御巣鷹山墜落事件が自衛隊による誤射であったという主張をしていました。それが、このように最初は自衛隊が関連した事故であったという推論にはそれなりの説得力がありました。しかし、最終的に日航機を自衛隊機が撃墜したという仮説部分、また、被災者の収用を遅らせながら、ボーイング社に修繕の不備として泥をかぶらせたことが、その後日本政府が全面的に米国服従になっていっってしまったたとのと主張には多少強引な印象も持ちました。
この本の終章付近で森永卓郎氏は小泉内閣で活躍した竹中平蔵さんと木村剛さんの経済に対する論点を批判していました。此の両人の主な主張をまとめます。更にこの両人の小泉内閣での働きとその後の仕事についても説明してみます:
竹中平蔵氏の主張
  1. 市場経済重視の構造改革: 竹中氏は市場経済の自由化を重視し、競争力を高めるための規制緩和を推進しました。
  2. 金融システム改革: 不良債権処理を急ぎ、銀行システムの健全化を目指しました。具体的には、金融機関の統廃合や、経営の透明性向上を図りました。
  3. 郵政民営化: 郵政事業の民営化を推進し、公的資金の運用効率を高めることを目指しました。

木村剛氏の主張

  1. 金融政策の厳格化: 金融機関の健全性を保つための厳しい規制や監督を支持しました。
  2. 市場原理の強調: 市場の競争原理を重視し、民間の活力を引き出す政策を支持しました。
  3. 経済の効率化: 効率的な経済運営を追求し、政府の介入を最小限にすることを主張しました。

小泉内閣での働き

竹中平蔵氏

  • 経済財政政策担当大臣: 2001年から2005年まで経済財政政策担当大臣を務め、小泉改革の中心的役割を果たしました。
  • 総務大臣: 2006年から2007年まで総務大臣を務め、郵政民営化を推進しました。
  • 規制改革: 経済特区の設置や、様々な規制緩和を推進し、経済の活性化を図りました。

木村剛氏

  • 経済政策アドバイザー: 小泉内閣の経済財政政策担当大臣であった竹中平蔵氏を支援し、金融政策の策定や実施に貢献しました。
  • 不良債権処理: 金融機関の不良債権処理を推進し、日本経済の立て直しに寄与しました。

その後の仕事

竹中平蔵氏

  • 教育機関の設立: 慶應義塾大学で教鞭を取りつつ、2008年には「東洋経済新報社」にてアドバイザーとしても活動。
  • 企業役員: パソナグループの会長を務めるなど、企業の役員としても活動。
  • コンサルティング: 政府や企業向けの政策コンサルタントとしても活動を続けています。

木村剛氏

  • 著作活動: 金融政策や経済政策に関する著作を多数執筆。
  • 企業経営: 投資ファンドの運営や、コンサルティング業務を行う企業を設立。
  • 教育活動: 大学での講師活動や、経済セミナーの講師を務めています。

森永卓郎氏による批判

森永卓郎氏は「書いてはいけない」の終章付近で、竹中平蔵氏と木村剛氏の市場重視の政策が社会格差の拡大や、経済的不安定を招いたと批判しています。また、彼らの改革が日本の社会保障システムに負の影響を与えたと指摘しています

清澤注:森永さんは癌の終末期である旨を表明(カムアウト)しています。ーーー 「人の将に死なんとする其の言や善し」は、『論語』の中で見られる格言です。直訳す ると「人が臨終の直前に言う言葉は、偽りのない真実の言葉である」という意味です 。この言葉は、死の瞬間に人々が本当の気持ちを打ち明けることを指しています。 

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