黄斑前膜は、目の中心部である黄斑に膜が張り付く病気です。中年以降の方に多く見られ、物が歪んで見える、視力が低下するなどの症状が現れます。片眼で見たときに画像が歪んで見えることが多く、これが黄斑前膜の初期症状として気付かれることが多いです。
診断法
黄斑前膜の診断には、視力検査、眼底検査、光干渉断層計(OCT)などが用いられます。OCTは網膜の断面を詳細に撮影できるため、黄斑前膜の診断に非常に有用です。
治療法
黄斑前膜の治療法としては、硝子体手術が一般的です。この手術では、眼球内の透明なゼリー状の硝子体を取り除き、黄斑前膜を剥がします。手術は局所麻酔で行われ、日帰り手術が可能な場合もあります。
硝子体手術の方法
硝子体手術では、まず硝子体を切除し、その後、黄斑前膜を細いピンセットでつかんでゆっくりと網膜から剥がします。手術中は顕微鏡を使用し、非常に細かい操作が求められます。
水晶体(白内障)手術
黄斑前膜の手術と同時に白内障手術が行われることが多いです。白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、人工のレンズを挿入します。この手術も局所麻酔で行われ、日帰り手術が可能です。
奏功率と予後
硝子体手術の成功率は高く、ほとんどの患者さんで視力の改善が見られます。ただし、視力の回復度合いは個人差があり、手術前の視力や黄斑前膜の状態によって異なります。手術後の視力は、約1~2週間で徐々に改善し、歪みの症状も3カ月から半年かけて改善されます。
術後の生活
手術後は、目の状態や施設の方針によりますが、基本的な家事は手術の翌日から、事務仕事は術後3日程度から、力仕事やほこりの多い職場での作業は術後10日程度から可能です。車の運転は、視力が0.7以上に回復していれば可能です。
リスクと注意点
手術にはリスクも伴います。術後出血、網膜剥離、感染症などが考えられますが、これらのリスクは低く、手術の成功率は高いです。
黄斑前膜の治療は、早期発見と適切な治療が重要です。気になる症状がある場合は、早めに眼科を受診し、主治医とよく相談することが大切です。
: [Medical DOCTOP](https://medicaldoc.jp/m/column-m/202109p1794/)
: [日本眼科医会](https://www.gankaikai.or.jp/health/55/index.html)
: [Medical DOCTOP](https://medicaldoc.jp/disease/disease_0768/)
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