糖尿病網膜症・加齢黄斑変性・網膜疾患

[No.485] 日本人の途中失明第4位「加齢黄斑変性」の症状と対処法:60歳からの健康術眼科編(6)

清澤のコメント:60歳からの健康術 眼科編も(6)になりました。今回は「加齢黄斑変性」の症状と対処法を取り上げました。

  ーーーー記事採録ーーーーー

眼科編(6)日本人の途中失明第4位「加齢黄斑変性」の症状と対処法

男性は女性の約3倍リスクがある

男性は女性の約3倍リスクがある

 物を見るのに重要な目の組織に「黄斑」がある。それが加齢でダメージを受け視力低下などを起こすのが「加齢黄斑変性症」だ。どんな病気か。「自由が丘清澤眼科」(東京・目黒区)の清澤源弘院長に聞いた。

「私たちが物を見るときは、目の中に入ってきた光を目の奥の網膜と呼ばれる組織で刺激として受け取り、光から信号に変えて脳に送るための視神経に伝達します。その網膜の中心部分(直径6ミリ程度)が黄斑です。ここが変化すると、物が歪んだり、視野が暗くなったりします。緑内障や網膜色素変性症、糖尿病網膜症と並び、中途失明を引き起こす第4位の目の病気であることが知られています」
 実はこの病気はかつて日本人にはほとんど見られない病気だった。食事や生活習慣の西欧化で増えたといわれている。
「加齢黄斑変性症の初期には特別な症状はありません。しかし、末期になると中心視力の低下や、中心付近の視野障害を訴え、視界のぼやけや歪みが出てきます。完全な失明は引き起こしませんが、顔を見たり、文字を読んだり、運転したり、料理などの近接作業が難しくなることがあります」

 この病気には2つのタイプがある。「萎縮型」は徐々に組織が傷んで弱っていくタイプで、黄斑に地図状の萎縮が出現する。視力も急には落ちずゆっくりと低下するが、現在のところ有効な治療法はない。
 もうひとつの「滲出型」は脈絡膜新生血管という異常な血管が網膜の下にできて、そこから水がにじみ出てきたり(滲出)、出血を生じたりして黄斑に障害が出る。急激に進行して著しく視力が低下するが、抗VEGF抗体などの注射、光線力学療法などが行われ、ビタミンとミネラルを含む栄養補助食品の処方もされている。

「この病気のリスクは年を取るにつれて高くなり、特に55歳以上の人では注意が必要です。家族歴がある人、喫煙者である人のリスクはさらに高くなります。また、女性に比べ男性で約3倍多い。診断には散瞳して眼底の検査をする必要があります。心当たりのある人は定期的に眼底カメラのほか、3次元画像解析装置(ОCT)検査や、蛍光眼底撮影眼科検査を受けることが重要です」

 なお、加齢黄斑変性症のリスクを下げるには、禁煙、定期的な運動、健康的な血圧とコレステロール値の維持、葉物野菜や魚などの健康食品を取ることなどが有効とされている。

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