清澤のコメント:従来、黄斑円孔の手術では眼内に入れたガスの吸収が進むまで、患者はうつむき顔位をとることが求められてきました。これに対して、特殊な場合以外では必ずしも術後にこの苦しい俯せ顔位をとることは必要ないとする論文が紹介されています。それは直径400ミクロン以下の黄斑円孔では結果に差がないという事です。
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黄斑円孔修復のほとんどの場合、下向きの向きは臨床転帰に大きな影響を与えるようには見えません。大きな穴は、考えられる例外の 1 つです。
研究デザイン
このメタアナリシスは、術後のポジショニングに基づいて、黄斑円孔手術後の結果を比較しようとしました。合計 709 眼の 8 つのランダム化比較試験 (RCT) が含まれていました。データは、閉鎖率、視力 (VA) の改善、全層黄斑円孔 (FTMH) の再発、視覚機能、生活の質、患者の満足度、および合併症率を含む、黄斑円孔修復の 7 つの臨床的に重要な結果について収集されました。
結果
合計 358 の目が下向きのポジショニング (FDP) グループに、351 が非フェイスダウンのポジショニング (nFDP) グループに無作為に割り付けられました。2 つのグループ間で穴の閉鎖率に有意差はありませんでしたが、nFDP グループと比較して、穴が 400 ミクロンを超える FDP グループの VA ゲインが大きかったです。小さい穴の場合、2 つのグループ間で差は認められませんでした。
制限事項
この研究にはいくつかの制限があります。たとえば、FDP の指示の順守を真に測定することができないことや、手術後の FDP の期間における研究ごとの大きなばらつきなどがあります。また、結果に影響を与えた可能性のある幅広い外科的技術が使用されていました。最後に、複雑な黄斑円孔の問題は解決されませんでした。
臨床的な意義
このメタ分析は、特に 400 ミクロンより小さい黄斑円孔の場合、FDP はこれまで考えられていたほど黄斑円孔の閉鎖に重要ではない可能性があることを示唆しています。大きな穴の場合、FDP グループで視力の改善が認められました。将来の大規模なRCTは、どの穴がFDPを必要とするかを定義するのに役立つ可能性があるため、穴が小さい患者はFDPの不都合を回避できます。
財務開示: リサ・ショケット博士は、財務関係を開示していません。
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