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[No.134] 松澤大樹先生ご逝去:

今日は旧友で放射線科の大学教授を務めているY君が診療所を訪ねてきてくださいました。

先に耳にしてはいたのですが、私とも共通の師であり、東北大学抗酸菌病研究所放射線科の教授を務められた松澤大樹先生が逝去されたという事です。

松澤大樹先生は私の学位取得(ポジトロン断層法の眼科的応用)でお世話になった先生でした。彼の履歴を探したのですが、見つけきれませんでした。以下に紹介するのは、東北大学サイクロトロンRIセンターの記載です。「東北大学におけるPETを用いた医学研究は1981年に開始されました。当時の抗酸菌病研究所(現在の加齢医学研究所)教授、 松澤大樹博士(元ラジオアイソトープセンター長、現東北大学名誉教授、東北福祉大特任教授の尽力により、1リング型 PET(米国 Ortec社製、ECAT II)を使用して始められました。これは、国立大学において最初の臨床利用の開始でありました。これに先立ち、抗酸菌病研究所放射線医学部門(現加齢医学研究所機能画像解析分野)の伊藤正敏博士(前サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター教授、現特任教授)、畑澤順博士(現大阪大学教授)、吉岡清郎博士(現NPO法人画像医学と脳健診 理事長)が英国 Hammersmith 病院に、福田寛博士(現加齢医学研究所所長、機能画像医学解析分野教授)が仏国 Frederic Joliot病院に留学し、その尽力によって研究の基礎が築かれました。」

私は大学院の学生で、当時眼科教授で有られた水野勝義先生に研究のために松沢教室への出向を命じられました。晴天の霹靂。当時の視覚生理学は網膜電図や視覚誘発脳波を扱うばかりでしたから、PET(ポジトロン断層法)で何が見られるのか?と、大変に戸惑ったことを思い出します。何はともあれ、夕方から真夜中に行われた実験に参加させていただくばかりでした。松澤先生は常に非常に精力的に研究を指導され、新しい道を自分で切り開くことを弟子達に求めておられました。その教室は正に梁山泊の様相を呈しており、松沢教室の教室員はみな切磋琢磨していました。学位取得後に私は、上記の記事に出てくる福田寛先生の後を継いで1984年に仏国 Frederic Joliot病院(CEA:原子力委員会関連機関)に、その後ペンシルバニア大学に留学したのですが、それが今でも最も楽しかった日々の思い出です。

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