清澤のコメント:子供と馬橋稲荷境内ににお参りに行きましたら、千歳飴の袋を持ち、盛装した家族が七五三のお宮参りに来ていました。お稲荷さんの社の前の梅の枝には梅が「帰り花」をつけていました。ちょうど高田郁の「商い世傳 金と銀」3巻に次の文言があり、まさに時候も含めてその通りでした。
「初頭の小春日和に、梅や桜などが、ほろりと二度目の鼻を咲かせることを、帰り花と呼ぶ。時ならぬ花ではあるが、冬のひだまりに健気に咲く姿は、それだけでひとの胸を打つ、希少だからこそ決して手折ったりせず、大切に見守るべきものであった。」
ーーー解説ーーー
「帰り花」(かえりばな)とは、11月頃の小春日和に、桜、梅、梨、躑躅などの草木が本来の季節とは異なって咲く花のことを指します12。小春日和とは、晩秋から初冬にかけて、まるで春のような穏やかなぽかぽかした陽気のことを言います1。人が忘れた頃に咲くので、「忘れ花」とも言われます12。また、「返り花」や「戻り花」「二度咲き」「狂い咲き」とも言います12。
俳句では冬の季語の一つとなっています2。例えば、松尾芭蕉の「凩(こがらし)に匂いやつけし帰花」や与謝蕪村の「かへり花暁の月にちりつくす」などがあります1。
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