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[No.2265] 出世花(高田郁)を読みました

出世花:(高田郁)を読みました。先の「あきない世傳 金と銀」に続いて同作者の作品です。「数奇な運命を背負いながらも、江戸時代の納棺師「三昧聖」として生きるお縁。一審で真っ直ぐに自らの道を進む「縁」の成長を描いた、著者渾身のデビュー作。」(巻末の高田郁の本の解説から引用)

先ず三昧聖とは何かを調べ、更に物語に登場する大茴香と、しきみ(樒)についても調べてみました。

三昧聖とは:

三昧聖(読み)さんまいひじり 改訂新版 世界大百科事典

三昧聖 (さんまいひじり)

三昧(墓所)の庵室に居住し,火葬や埋葬,墓所の管理などにあたった俗聖。一般に墓守,御坊(おんぼう)(隠坊)などと称される。墓所が三昧と呼ばれるようになってからの呼称であろうが,文献上の初見は15世紀はじめに書かれた聖聡の《浄土三国仏祖伝集》で,〈薩生法眼,三昧義を立つ。三昧衆と号す。今世,三昧聖是也。または御坊聖と名づく〉。墓所管理や葬送に関与した聖の存在はもっとはやく,行基集団のなかにもいたと推定されるし,民間の念仏聖も関係していた。三昧聖が行基を祖とするのはこのような史的背景によっていよう。行基系の三昧聖は畿内近国に多く,行基墓地開創伝承や志阿弥法師譚を伝えている。志阿弥とは行基の法弟で,火葬を行い,墓地を開創したという伝承上の架空の人物であるが,志阿弥=沙弥と考えられ,三昧聖が葬送の俗聖であったことを示している。近世には,行基との因縁により,東大寺勧進職竜松院の配下にあった。五畿内および近江,丹波7ヵ国の三昧聖は国ごとに二,三の組にわかれ,組頭と聖総代がいて,竜松院の支配を受けていた。三昧聖には俗体と法体の者がいて,後者は阿弥号を名のり,直綴(じきとつ)を着けた。

(執筆者:伊藤 唯真)という事です。

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だいういきょう 大茴香と、しきみ(樒)

本文中に出てくる大茴香(だいういきょう)と樒(しきみ)についても調査してみました。今でも、墓地に植えられるしきみの実を誤って食すと中毒を起こすことが記載されています。

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だいういきょう 大茴香

大茴香はどんな効果があるのですか?

スターアニスの漢方薬としての効能は?

 

八角はスターアニスとも言い、炒飯や豚の角煮、カレーなどに使われます。 中医学では「大茴香」という生薬でもあり、体の内側を温める「温裏薬」に分類されています。 八角は特に腎と脾を温める性質があり、足腰やお腹の冷え、冷えによる痛みなどの治療に使われます。

 

しきみ(樒):シキミには、有毒成分のアニサチンが含まれており、実には有毒成分が特に多い。 誤って食べた場合、通常1~6時間の潜伏期間の後に嘔吐、下痢、意識障害、けいれん等を引き起こす場合があるとのこと。

しきみ:樒、(モクレン科)

  常緑の小高木で、葉は厚くつやがあり、春に淡黄白色の花を咲かせる。秋から冬にかけて星型の実をつける。シキミの名前は「悪しき実」からついたと言われる。 自生地:山中。墓地や寺院などに植えられていることが多い。 誤食部位:実など。実を子供が遊びで食べてしまうことがある。中華料理に使用されるダイウイキョウと間違えることもある。症状:おう吐、下痢、めまい、けいれん、呼吸困難、血圧上昇など。毒成分:アニサチン、イリシン、ハナノミンなど。全草が有毒。特に実には毒成分が多い。

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