清澤のコメント:2021年12月10日の豊島逸夫の手帖では、中国恒大のデフォルトを解説している。国内と国外とで処理態度を変えるという全く強引な対応のようだ。世界の証券市場はびくびく。これだけ無理筋の対応をしても国内の政治経済の支配体制が倒れないところが誠に凄い。 ーーーー
概要は次の通り。格付け会社が、中国恒大集団の長期外貨建て発行体格付けを債務不履行を意味するものに引き下げたが、市場は織り込み済み。恒大のケースは「大きすぎて潰せない」から、地方政府と国策企業での実質的なステルス救済となりそうだと。中国共産党の指導下で、現状の救済順位は、まず恒大建設マンションを全額先払いで購入した人たち。完成物件を引き渡すか、全額返金する。外国人投資家は優先順位が低い。
不動産関連セクターが中国GDPの29%程度を占め、個人資産運用では不動産が半分以上の割合で、不動産セクターバブルの影響は大きい。中国人民銀行は銀行の預金準備率引き下げという追加的金融緩和策を発表した。今回の追加緩和に人民銀行自体は反対だが、共産党からの指示。
現政権は、巨大化する中国の大企業が党の支配の及ばぬところで事業を拡大していることを懸念して、片っ端から解体に動く。中国人民銀行も政治的に独立することが中国ではあり得ない。
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