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[No.2746] 東京医科歯科大学眼科;第 38 回同門会集談会がありました。

38 回同門会集談会

毎年海の日には東京医科歯科大学眼科の同門会集団会が開かれます。同窓会と呼ばず同門会と名乗るのは、東大紛争があったころ(大塚教授時代)に眼科同窓会の解散が決議されたことがあり、新たな会を当時の所教授らで再開したことに由来すると聞いています。来年からは、東京科学大学医学部と大学名も変わります。出かける前に一般演題の抄録を眺めてみました。質問や発言は、見当違いにならぬように、控えめにと考えています。

  • 一般演題(13:10~14:20) 座長 鴨居 功樹
  1. Behçet 病に伴う難治性網膜ぶどう膜炎に対する長期インフリキシマブ治療 の効果と安全性郎 佳慶、村瀬裕香、尤 俊博、北口由季、岡 彩乃、輕部央子、鴨居功樹

  清澤注:インフリキシマブは、抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体です。商品名レミケード(Remicade主な適応として、以下の疾患に使用される:関節リウマチ、クローン、潰瘍性大腸炎、乾癬、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎。インフリキシマブは生物学的製剤であり、従来の薬物療法に抵抗がある場合に適用されます。効果減弱や感染症に注意しながら使用される。

  1. VZV 及び CMV の混合感染による壊死性網膜炎 1 小林暁子、杉澤啓吾、高瀬 博、鴨居功樹

清澤注:急性網膜壊死は、東北大で初めて報告され、桐沢型ブドウ膜炎とも呼ばれた疾患。HSVCMVそれぞれが見つかることはあるが、同時感染は聞いたことがないです。ヘルペスウイルスによる網膜感染に起因する眼の重篤な疾患で、失明に至ることがあります。この病気は、単純ヘルペスウイルス1型や2型、水痘・帯状疱疹ウイルスが目に感染することで生じるぶどう膜炎の一種。主な特徴は次のとおり;・症状が急速に悪化し、視力障害や失明に至ることがある。・目の充血、痛み、飛蚊症などが初期症状として現れる。一般的に片目に発症するが、反対側の目にも発症することがある。網膜剥離を引き起こすことがあり、視力喪失と眼球の機能喪失につながる。早期発見と適切な治療が重要ですが、現時点では失明を完全に防ぐ治療法は存在しない。抗ウイルス薬やステロイド、抗血小板薬が使用され、合併症として網膜剥離が改善されることもある。この症例はリンパ腫で免疫不全状態であったらしい。

3. 網膜血管増殖性腫瘍に黄斑前膜を併発し自然分離した 1 西迫広貴、髙橋知成

清澤注:黄斑前膜を形成する細胞はどこに起源が有るのでしょうか? | 自由が丘 清澤眼科 (jiyugaoka-kiyosawa-eyeclinic.com)ご参照ください。この症例はできた黄斑前膜が外れて手術しなかったとのことです。網膜血管増殖性腫瘍は、片眼性の網膜に生じる後天性で良性の血管腫です。約7割は特発性で、孤立性の腫瘍が多く見られます。残り3割は続発性で、ぶどう膜炎、外傷後、網膜色素変性症、網膜剥離手術などに続発することがあります。症状として視力低下が一般的で、好発部位は耳下側周辺部の網膜です。治療法は定まっておらず、光線力学療法やレーザー光凝固、ステロイド投与、抗VEGF治療などが行われています。視力予後は必ずしも不良ではないが、併発症によって高度な視力低下をきたすこともあります。

  1. ステロイドパルス治療に抵抗し、眼窩減圧術を要した重症甲状腺眼症 1 磯村直紀、郎 佳慶、浦本賢吾

清澤コメント:関連記事 甲状腺眼症 | 自由が丘 清澤眼科 (jiyugaoka-kiyosawa-eyeclinic.com) 従来は殊に米国では、最重症例にオグラ手術として眼科減圧術が行われていたが、最近はテプロツマブの有効性が言われているようです。甲状腺眼症の管理におけるパラダイムシフト テプロツムマブ治療: 総説紹介 | 自由が丘 清澤眼科 (jiyugaoka-kiyosawa-eyeclinic.com)

5. 抗IL-6 抗体投与後に生じた涙囊炎・眼窩蜂窩織炎 1 井上隼斗、鴨居功樹

 清澤注;トシリズマブ(IL-6阻害薬)は、関節リウマチなどの治療に使用される生物学的製剤。以下は主な副作用と注意点です:

1)血液症状::好中球減少症や血小板減少症。突然の高熱、寒気、あざ、出血が見られた場合は医師に連絡。

2)肝機能の異常::ALT(GPT)やAST(GOT)などの数値が上昇することがある。倦怠感、食欲不振、発熱、黄疸が続く場合は医師に相談。

3)感染症:頻度は稀ですが、肺炎、帯状疱疹、敗血症、結核などに注意が必要です

4)アナフィラキシー::非常に稀だが、皮膚の痒み、蕁麻疹、声のかすれ、息苦しさなどが現れる可能性がある。

  1. 光干渉断層血管撮影を用いた正常眼と緑内障眼における深層強膜血管密度 の定量的評価寺松 龍、好本壮太、杉澤啓吾、大野元久、安田慎太郎、塩谷悠斗、 吉田武史

清澤注:最近大野京子教授が強度近視で強膜の線維走行に変化があることをプレスリリースしたのに気が付いていました。これは同機種による結果でしょうか。この研究の対象は比較的前眼部のようです。それともOCTA(アンギオ)の結果かとも思われます。OCT(光干渉断層血管撮影)は、造影剤を使用せずに網膜や脈絡膜の血管を描写する技術。深層強膜血管密度に関する報告は乏しいです。そこで知られているポイントは脈絡膜毛細血管版に関するものだけのようです。:観察対象: OCTAを用いて脈絡膜毛細血管板(CC)の観察が可能になり、血管密度と血管径の計測が行われています血管密度: 健常な日本人のCC血管密度の平均は44.5±3.0%と報告されています血管径: CC血管径の平均は23.9±4.9μmで、過去の組織学的検討よりも太く測定されています 

  1. 重度な視力障害から治療により回復した眼窩蜂窩織炎 1 李 あゆん、堀江真太郎、江本博文

清澤のコメント:感染性の眼科蜂窩織炎か非特異的眼窩炎症かで対応は異なるでしょう。非特異的眼窩炎症(特発性眼窩炎症、眼窩炎症症候群、眼窩偽腫瘍)とは | 自由が丘 清澤眼科 (jiyugaoka-kiyosawa-eyeclinic.com) ご参照ください。

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