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[No.3153] 目黒通り石材店前の悲母観音像

シェラトンホテルで行われた忘年会の帰りに、目黒通り沿いの石材店まえに置かれたお地蔵様と菩薩像と思しき石像を見かけました。菩薩像の表情や形などはやや稚拙な印象を受けますが、これは悲母観音でしょうか?キリスト教の聖母子像をも思わせるものがあります。悲母観音は母性愛や慈悲の象徴として、多くの人々の心の拠り所となる存在です。石政石材店は寛政二年(1790年)創業の老舗であり、墓石専門の石材店として各宗派の寺院での墓石建立を手がけてきた実績があるようです。 shirokane-ishimasa.com

悲母観音についての物語

悲母観音(ひぼかんのん)は、観音菩薩の化身の一つで、母親の深い慈悲や愛情、そして子を思う悲しみを象徴しています。日本や中国の仏教文化において、母子の絆や子を失った母親の心を癒す信仰が込められています。

物語や伝説

悲母観音に関する具体的な伝説や物語は、以下のようなテーマで語られることがあります:

  1. 母親の愛と犠牲の物語
    ある母親が子供を失い、悲しみに暮れて観音菩薩に祈り続けたところ、観音菩薩が母親の悲しみを癒し、子供の魂を救済するという物語。この物語は、母性愛と観音菩薩の慈悲深さを強調しています。
  2. 子供を守る母親の象徴
    悲母観音は、特に出産や子供の成長に関する願いを叶える存在として信仰されています。母親が病気の子供を抱えながら観音菩薩に祈り続け、奇跡的に回復するという伝承が語られることもあります。
  3. 観音菩薩が母親の姿で現れる
    観音菩薩が母親の姿で現れ、困難に直面した人々を導き救済するという話も伝わります。これは、悲母観音が母性愛を体現する姿として描かれる背景となっています。

代表作

悲母観音をテーマにした作品の中で特に有名なものには、以下のものがあります

  1. 狩野芳崖「悲母観音図」

狩野芳崖(かなの ほうがい)は、日本の明治時代に活躍した画家であり、その代表作「悲母観音図」は、悲母観音の美しい象徴として広く知られています。

  • 特徴:
    「悲母観音図」は、母親が子供を慈しむ姿を繊細に描いた作品です。観音像の柔和な表情と母性溢れる描写が印象的で、明治期の日本美術界における西洋画技術の影響と、日本の伝統的な美意識が融合しています。
  • 背景:
    狩野芳崖はこの作品を仏教的信仰と新しい芸術の融合の象徴として制作しました。この作品は、明治政府の西洋化政策の中で、日本の伝統文化を守りながら新しい時代の美術を追求した努力の結晶です。
  • 現在の所蔵先:
    東京藝術大学大学美術館に所蔵されています。

2.. 中国・唐代の仏画

唐代の仏教絵画の中にも、母性愛を象徴する観音像が見られます。これらの作品は、日本における悲母観音信仰の原点とも言えるでしょう。

悲母観音の信仰と現代

悲母観音は、母子の絆や子供の安全を願う祈りの象徴として、現代でも多くの人々に信仰されています。特に、狩野芳崖の「悲母観音図」は、日本美術史において重要な位置を占めており、観音信仰と芸術表現の融合を見事に体現しています。

 

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