自由が丘らしい新感覚の空間──美容院とカフェが同居する「minimal maat cafe」
自由が丘の街を歩いていて、少し不思議で魅力的なお店を見つけました。
その名も 「minimal maat cafe」。美容院とカフェがひとつの空間に共存している、まさに自由が丘らしい感性の詰まったお店です。場所は駅前再開発工事現場の通りを挟んだ北側、サブウェイの2階。狭い入口の階段を上がると、静かな異空間が広がっています。
扉を開けると、右側が美容院、左側がカフェスペース。お互いの空間が柔らかく仕切られ、髪を整える人とコーヒーを楽しむ人が、同じ空気の中で穏やかに共存しているのが印象的です。カフェには2人掛けの席が5組ほどあり、木の質感を生かしたインテリアが落ち着いた雰囲気をつくっています。
私は少し戸惑いながらもカウンターで クロックムッシューとカフェオレ(ホット) を注文しました。小さな果物入りヨーグルトが添えられており、価格は1,800円。焼きたてのクロックムッシューは外側が香ばしく、中はチーズとハムの塩味が絶妙。ヨーグルトの酸味がアクセントとなり、満足度の高いセットでした。テーブル席のほか、少し傾いた椅子が並ぶ席もあり、「姿勢のデザイン」にまで気を配ったこの店らしいこだわりが感じられます。
この「minimal maat cafe」は、株式会社GEORGE(代表・丸山裕太氏)が手掛ける複合型ショップで、2021年10月にオープン。美容室とカフェを一体にした日本初の新業態として設計段階から構想されたそうです。美容師と建築デザイナーが協働し、感染症対策や動線分離、換気などの保健所基準を満たすよう緻密に設計されたことで、合法的に「美容+飲食」併設が実現したとのこと。こうした複合型店舗は、2021年6月の食品衛生法改正により可能になった新しいスタイルでもあります。
一般的に、美容院の中で飲食物を提供することは保健所の規制により難しいとされています。施術スペースと飲食スペースを明確に区切り、調理場や手洗い設備を独立して設けることが求められるためです。その点、このお店はその課題をクリアし、空間デザインの妙で“共存”を成立させた好例といえるでしょう。まさに、美と食の両方を一つの空間で体験できる自由が丘らしい新感覚の試みです。
再開発が進む駅前の一角で、このような感性豊かな個店が静かに根づいているのは、自由が丘という街の懐の深さを感じさせます。美容院に用事がなくても、カフェだけの利用も歓迎されているとのこと。
静かに過ごしたい午後、あるいは自分を少し整えたい時に、こうした空間でひと休みしてみるのも良いかもしれません。
minimal maat cafe(ミニマルマートカフェ)
住所:東京都目黒区自由が丘1-26-7 2F(サブウェイ自由が丘店の上)
営業形態:美容院+カフェ併設
運営:株式会社GEORGE(代表取締役 丸山裕太)
開業:2021年10月
公式情報:https://newscast.jp/news/9376122



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