ご近所の話題

[No.4161]

夜のバーで始まる対談。株を知り尽くす大川氏がゲストの長浜俊氏(エコノミスト)と、いまの相場と政策の“筋”を語る。まず日本株は「とんでもない」上昇だが、実は日経平均の寄与は半導体・データセンターなどハイテク偏重。米国ハイテクが崩れれば日本も総崩れになり得る脆さがある。一方で高市政権は「責任ある積極財政=高圧経済」を掲げ、金融は脇役、財政・成長投資・供給力強化を主軸に据える。PB一本足から純債務/GDP比など別指標に軸足を移しつつ、国内回帰を促す減税・原価控除など“産業政策”色が濃い。消費税の軽減は同盟内の事情から難しく、再分配は給付付き税額控除などで時間がかかる見込み。物価は食料・エネルギー寄与が剥落していけば来年度2%を割り、春闘が乗れば実質賃金はプラス圏も。そうなれば日銀の年内(年度内)1回程度の利上げが現実味を帯びる。為替は見方が割れるが、実質金利差の観点では来年は140円台中心へ収れんするシナリオ。投資のヒントとしては、消費関連(実質賃金改善×ラグジュアリー回復の兆し)や、遅かれ早かれ金利上昇の恩恵を受ける銀行株に妙味。反面、金融所得課税の拡張は市場のリスク要因で、資産運用立国に逆行しかねない。米経済はまだ底堅く、利下げが早すぎると物価再加速→金融環境の引き締め直し→株価調整のリスクもあり、年明け〜上期は要警戒。長浜氏のモデルでは、名目GDPと金利を前提にすると日経平均は保守ケースでも2030年代に6〜8万円台が視野。ただし今の上昇は米ハイテク頼みの色が濃く、日本独自の成長牽引役としては「AI×ロボティクス×製造業」で少子高齢・省人化ニーズに刺さるかが鍵。個人投資家への実務助言はシンプルだ。短期の値動きに翻弄されず、積立・分散で“買って忘れる”長期戦略を基本に、ショック時に少しずつ買い増す。為替で内需が痛む局面では、円高転換の芽や政策実行力の有無を見極めたい。総じて、相場は強いが過熱に注意。政策はチャンスにもリスクにもなり得る——そんな現実的な締めで対談は幕を閉じた。

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