清澤のコメント:この動画の終わり付近で夫を亡くした女性を抱擁する場面には感激しました。「時が解決する“日にち薬”って京都ではいうんですけどね」
https://www.fnn.jp/articles/-/268567
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「夏の終り」など愛や生き方をつづった小説などで知られる作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(99)が11月9日、心不全のため、京都市内の病院で亡くなった。
数々の恋愛をもとに小説を書き、晩年は人の生き方を語り続けた。
瀬戸内寂聴さん(2019年)「悩みのない人なんていないんですよね。なんにも悩みのない人、ちょっと手を挙げて。そんな人がいたらね、それはもう病院行った方がいい。悩みがあるのが人間なんですよ」
1922年徳島県に生まれ、姉の影響もあり、幼少期のころから本を読むのが好きだったという寂聴さん。
大学在学中に結婚したが、夫のかつての教え子と不倫し、幼い子どもを残し京都へ。
その後離婚し、作家となった寂聴さん。
自身の恋愛をもとに描いた作品「夏の終り」で女流文学賞を受賞。
作家としての地位を確立した。
その後も次々と小説を発表し、人気作家となったが、1973年、51歳のときに出家し、世間を驚かせた。
瀬戸内寂聴さん(2006年)「“あの世”を仏教的に信じておりますから、死ぬのは怖くないんです。死ねばあの世があって、そしてそこでまたみんなに再会できるというふうに信じてますから」
1998年には「源氏物語」の現代語訳を完成させ、“平成の源氏物語ブーム”をけん引。
2005年には、若かりしころから出家に至るまでの壮絶な人生を描いた人間ドラマ「女の一代記」で宮沢りえさんが寂聴さんを演じ、大きな話題に。
当時の寂聴さんは…
瀬戸内寂聴さん(2005年)「生きている私の生涯をこういうふうにテレビ化してくださるというのは、非常に照れくさくて恥ずかしくて…。ただ小説が書きたいだけで生きてきましたから。出家しましたのも小説をよりよくしたいために出家を選びましたから。もうそれだけなんです」
この翌年、2006年には文化勲章を受章する。
瀬戸内寂聴さん(2006年)「自分の書いたものに自信があるわけではなくて、いつも自分の才能を非常に過小評価してきたと思います。ずっと。“私はダメだ”というふうな気持ちがずっとあったんですけれども。そうですね…去年(2005年)あたりから“そうでもないんじゃないか”と。ようやく思うようになりました。それが年をとったということでしょうか」
2015年にフジテレビの取材を受けていた寂聴さん。
悩み相談で若くして夫を亡くした女性が話し出すと…
相談女性「夫が3カ月前にがんで亡くなったのですが…」
瀬戸内寂聴さん(2015年)「まだお若いでしょう? あなたのご主人なら」
相談女性「まだ受け入れることができず、どこに消えてしまったんだろう…」
話を聞くと女性を呼び寄せ、そっと抱きしめる寂聴さん。相談者を包み込む優しさがそこにはあった。
瀬戸内寂聴さん(2015年)「毎日泣いていいのよ。あなたは泣きつかれるまで泣きなさい。悲しいのが当たり前なんだから。でもね、時が解決する“日にち薬”って京都ではいうんですけどね。泣きたいときは遠慮しないでどこでも泣けばいいの。人のことなんか気にしないでね」
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