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[No.959] 劇団あしからず公演「セミは転落する」を見てきました。

第4回本公演「セミは転落する」見てきました。

劇団あしからず。第4回本公演詳細。

【期間】2022年9月19日(祝)~9月25日(日) 

【会場】ザムザ阿佐ヶ谷

【料金】前売/当日一律

一般:4,000円 U-25:2,500円 障がい者割:2,000円

※全席自由 8/19より販売開始

※U-25・障がい者割を購入される方は当日身分証明書をご提示下さい

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感想:(ネタバレ注意:)映画を作ろうとする25歳くらいの若者が集まっている。監督、男優、今日初めて加わった小説を書きたいという男。新人女優。女性の助監督と、映像学校の女子生徒。青臭い芸術論を盛んにかわしている。作家を目指す主人公は男優と友人になり、将来、書けた小説を一緒に映像にしようと夢を膨らませる。若さと性のリピドーが彼らの間で交錯する。芸人への夢を諦めてホテルの従業員になっていた先輩との会話。月に一度セックスをしに来る女友達との間に出来た子は産ませられずに中絶。そのころ、2歳の子を持つ可愛いシングルマザーが登場する。先の映画監督は全国上映される商業映画の監督になれた。友人の男優は俳優への夢を諦めて就職し、シングルマザーの子と結婚する。自分からは一線を越えられはしなかったが、男には男女二人の友人に同時に裏切られたというさみしさが辛い。一年後、男優とその妻が赤ちゃんを連れて訪ねてきた。男は既に小説が出版されて、書店に平積みになって居るという。男は「光」と名付けられた赤ちゃんを抱きとるが、ミルクが欲しい赤子は大声で泣く。そのことで夫婦は男の前で口喧嘩を始める。たわいもない口喧嘩だが、孤独な男にはそれが耐えられない。乳児を放り出す。赤子の人形は、最前列中央に座っていた私の目の前のテーブルに投げ出された。

 乳児虐待症候群の冤罪事件の訴訟の応援に現在関与している私にとって、この結末は驚きを超えてとんでもないものではあった。が、それを此処では、これ以上は言うまい。学校を卒業して数年め。自分の夢と現実の狭間で悩む男女の群像が生々しい。もう30年か40年もして、子供が巣立つ頃になれば、彼らのこの頃の重い:夢も、恋も、哀れみも、愛も、悩みも、全てはどうと言うこともない日常に埋もれてゆき、ほろ苦い思い出に代わってゆくのだろう。

 名画座(ラピュタ)での映画を見ようかと通りかかった劇場の前で案内する劇団員(後で見たら、写真に写っていた。)に誘われて、内容も知らずに入ったにしては上記のように様々な思いを感ずることができた有意義な100分でした。

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