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[No.1036] 職業ドライバーに対する職域検診のモデル事業が開始されます

清澤のコメント:職業ドライバーにおける緑内障、白内障などによる視覚障害を検診し、交通事故を未然に防ごうという目的での職域検診の国土交通省主導のモデル事業の試行が国土交通省から日本眼科医会長あてに依頼されています。国土交通省からの依頼書や実施要項は眼科医会会員であれば日本眼科医会のホームページで見ることができます。その要点を拾ってみましょう。

 なお、このモデル事業では検診の諸検査費用(初診料、視力、眼圧、無散瞳眼底検査)は本人から当日徴収するとされています。(現況ではこの本人負担金が、後日に国などから補填されるかどうかは不詳ですが、企業が負担するのでしょうか。)現在の国民健康保険の縛りでは、私費診療である眼科検診と治療を目的とする保険診療との同日併用はできません。しかし、本人に何らかの視覚に関する心配事(遠見または近見での視力低下、眼精疲労、飛蚊症、眼痛、痒み、視野欠損など)が既にあり、「(このモデル事業と関係のない)目に関連した主訴のある患者」として、眼科医を受診する場合には、初めから健康保険適用による凡そ3割負担の診療対象となりますので、今回のモデル事業を待つ必要はないことになると思われます。いずれにしても、40歳を過ぎたら緑内障は20人に一人はいるわけですから、毎年一度は眼科検診を受けましょうということには変わりはありません。今回は参加者の総数が僅か1000人であるとはいえ、このモデル事業が始まることは国民にも眼科医にとってもまことに喜ばしいことです。

  ーーーー通知文書ーーーーー

国土交通省自動車局 安全政策課長 村上 強志
眼科検診普及に向けたモデル事業への協力依頼について
事業用自動車の運転者の健康に起因する事故を防止するため、国土交通省では令和3年度より有識者(別紙1)による自動車運送事業に係る視野障害対策ワーキンググループを創設し、専門的見地から視野障害を早期に発見し、治療を促すための検査の普及方策に係る検討を行っています。その取組の一つとして、自動車運送事業者に対して、運転者の疾病を早期に発見するのに有効な各種スクリーニング検査の受診を推奨しております。
令和3年度より眼科検診の普及に向けたモデル事業を開始しており、事業者の中からモニター事業者を選定し、これらの事業者において実際に運転者に眼科検診を実施していただいた上で、眼科検診の導入効果等を調査しているところです。本モデル事業を今年度も実施することとしており、この結果得られた取組の効果や、優良事例等の有益な情報について業界全体で共有すること等により、眼科検診の普及促進を図ってまいりたいと考えております。
検診の内容としては、「視力検査」、「眼圧検査」、「無散瞳眼底検査」(いずれも検診については原則保険適用外)を実施することとし、本年度の調査対象となる運転者は、バス、ハイヤー・タクシー、トラックの合計(全国)で最大1,000名を予定しており、本年10月から来年1月末までの間での検診を予定しています。なお、モデル事業の実施の流れにつきましては別紙2のとおりとなります。
つきましては、貴会会員眼科医に対し本モデル事業の周知をいただくと共に、別紙3に示します「眼科検診にあたってのお願い」を持参した運転者への眼科検診の実施及び検診結果の提供につきましてご協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。

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