清澤のコメント:コロナ禍の中、自宅で犬や猫を飼う人が増え、子犬の販売価格が高騰し、また販売数も増えていたようです。それまで大した利益の上がる業界ではなかったブリーダー業はその特需で潤った人もいたようですが、税務当局は過去5年間の血統書発行数と犬の販売頭数の差異を見つけて申告漏れを指摘したようです。この税務調査は全国に広がっている様です。元は素人で、納税など考える程の売り上げがなかった人が複数年の申告漏れを見つけられているのかもしれません。申告漏れには、後の対応が深刻です。
ーーーー毎日新聞記事ーーーー
「巣ごもり特需」バブル 犬猫ブリーダー6人申告漏れ2.3億円
ペット用の犬や猫を繁殖させて販売する滋賀県内のブリーダー6人が大阪国税局の税務調査を受け、2020年12月までの5年間の総額約2億3500万円の申告漏れを指摘されたことが関係者への取材で判明した。ペット業界は新型コロナウイルスの流行に伴う「巣ごもり特需」で業績を伸ばしており、売り上げを意図的に申告しない悪質な所得隠しも横行していた。
国税局は申告漏れ総額のうち、約1億6000万円が所得隠しと認定。重加算税を含めた追徴税額は約7800万円に上り、大半のブリーダーが税逃れを認めているとみられる。
関係者によると、国税局はペット業界が「巣ごもり特需」に沸く中、個人事業主のブリーダーの申告内容に疑義があるとして集中的に調べていた。その結果、滋賀県内でブリーダー登録されている男女6人がそれぞれ、ペットショップやオークション会場で犬や猫を販売した際、多額の売り上げを得ているにもかかわらず申告していないことが明らかになった。
ブリーダーは毎年、犬や猫の所有数や繁殖数、販売数を登録先の自治体に報告する必要がある。こうした数を過少申告し、所得を故意に隠すような悪質な手口も確認された。
また、取引書類が保管されず、販売先や販売数が分からないケースもあった。国税局はブリーダーが純血種の犬や猫を販売する際、血統証明書を相手に交付する点に着目。各ブリーダーに関連団体から発行された証明書の全件数を把握し、ブリーダーの手元に証明書がない犬や猫は既に販売されたと判断した。こうした場合は1匹当たりの平均販売価格を基に申告漏れの所得を認定したとみられる。
新型コロナの感染拡大とともに自宅で過ごす「おうち時間」に癒やしを求め、犬や猫を買い求める人は増えている。一般社団法人ペットフード協会(東京都)によると、20年の新規飼育数は、犬が前年から18%増の41万6000匹、猫も16%増の46万匹。20年は過去5年間で伸び率が最も高く、21年も高止まりが続いている。
関西地方のあるブリーダーは「コロナ禍になった直後は特に犬がよく売れ、バブルが起きていた」と明かす。
一方、ペット業界のある関係者は「ブリーダー業は持ち出しが多いのに、銀行の融資を簡単に受けられず、コロナがなければ廃業していた人も少なくない。急にもうかり出し、借金の帳消しで不正に走ったのかもしれない。所得隠しは許されないが、そんな複雑な事情もある」と話した。【沼田亮】
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