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[No.54] コロナ禍での周産期医療体制の脆弱性と社会的弱者である妊婦たち~パンデミック第5波から見えてきたこと:川名敬先生記事から

清澤のコメント:東北大学の医学部同窓会が艮陵会。その関東地区部分が東北大学艮陵関東同窓会です。その会の会報に日本大学の産婦人科の主任教授である川名敬先生が「コロナ禍での周産期医療体制の脆弱性と社会的弱者である妊婦たち~パンデミック第5波から見えてきたことを記載されました。第5波では妊婦を含む若年者の感染が多かったこと、そしてデルタ株では妊産婦を含む若年者の感染が多かったと報じておいででした。RNAワクチンで不妊になるとか卵巣障害があるというのはデマだそうです。川名敬先生の記事から抜粋採録します。

ーーー記事抄出ーーーー

2020年2月から始まった新型コロナウイルス感染のパンデミックは、当初高齢者を中心とする感染者で約一年が経過しました。その間は若年者への感染拡大はなく、新型コロナに感染する妊婦はほぼいませんでした。

しかし、第5波で状況は一変しました。デルタ株の出現とともに若者の感染者が30%超えになり、最も感染が多い世代がまさに妊婦世代となったのです。その結果、妊婦の新型コロナ感染者は、都内で4-6月には月に20名程度だったものが、第5波が来た7月100名、8月には230名と10倍に膨れ上がったのです。

新型コロナ感染妊婦だけは、これまでの保健所対応でやってきていたために、保健所が機能不全になった第5波で新型コロナ感染妊婦が路頭に迷う事になりました。ーー結果、新型コロナ感染妊婦が救急隊を呼び、救急隊が10件以上の産婦人科医療機関に連絡しても受け入れ先が無かったのです。この様な中で、千葉県柏市で新型コロナ感染妊婦の受け入れ先が無いまま自宅分娩となり新生児死亡になるという不幸な例が発生してしまいました。現在は新型コロナ感染妊婦をすべての周産期センターや大学病院が応需できるようになり、常に空床状況がわかるシステムが構築されました。何よりも重要なことは、妊婦自身が新型コロナに感染しない事であり、妊婦への新型コロナワクチン接種が優先対象となりました。妊婦が感染するルートの半分以上は家庭内感染であり、妊婦が居る家族も優先摂取対象となりました。メッセンジャーRNAワクチンについては6万人の妊婦に接種されたデータが発表され、妊婦、胎児、妊娠への影響はなく安全性が確認されています。もちろん、不妊になるとか卵巣障害があるというのはデマです(動物実験でも否定されています)。私たち産婦人科医は第6波や変異株に備えた体制を整え、新型コロナウイルス感染から妊婦と児を守ってゆきます。ーーー

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ワクチン接種した妊婦、高水準の抗体を胎児に移行-米研究で確認

2021年9月23日 1:30 JST
  • 新生児36人が対象、出生時の検査で全員が抗体を持っていた
  • 今回の研究結果、妊婦のワクチン接種推進に役立つ可能性

妊婦がメッセンジャーRNA(mRNA)技術を使った新型コロナウイルスワクチンを接種すると、高水準の抗体が胎児に移行することが明らかになった。研究論文が22日、米産科婦人科(母体胎児医学)学会誌で発表された。

今回の研究は免疫が感染に由来するのか、あるいはワクチンによるものかを区別するため、臍帯血(さいたいけつ)内の抗体水準を計るもので、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナワクチン、あるいは米モデルナ製を接種した母親から生まれた新生児36人が対象。それによると、出生時の検査で全員が感染を防ぐ抗体を持っていたことが分かった。

  論文を共同執筆したニューヨーク大学ランゴン・ヘルスシステムの産科医、アシュリー・ローマン氏は「予想外の結果だった。もっとばらつきが出ると想定していた」と述べた。

  今回の結果は、妊婦のワクチン接種推進に寄与する可能性がある。妊娠中のワクチン接種の安全性を示すデータは増えているが、米疾病対策センター(CDC)の9月11日のデータによれば、18-49歳の妊婦のうち、ワクチン接種を済ませた人の比率は30%にとどまっている。

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