清澤のコメント:日本のコロナ禍以降のアレルギーに関する調査であり、実施は昨年夏なので今春の花粉症季を踏まえたものではない。しかし、現在に至るまで、多くの市民がマスクを常用するようになったことと、医療機関への受診控えをするようになったことの影響が読み取れる結果であったという。
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「アレルギー様症状*に関する全国実態調査」の結果を発表 マスクの着用や医療の受診控えなど新型コロナウイルス禍での生活習慣の変化が出ている。特に呼吸器症状の「改善」に関する回答に影響|
サーモフィッシャーサイエンティフィック ジャパングループが2023年8月に行った「アレルギー様症状の全国実態調査」の結果を発表した。1主なポイントは以下の通り:
- 調査目的: アレルギーに関する実態と意識、および2018年からの変遷を把握するため。
- 調査結果: 新型コロナウイルス禍前と比較して、アレルギー様症状の自覚がある人の約2割が症状の改善を感じ、約8割が改善を感じなかった。
- 呼吸器症状: 改善した理由としてマスクの着用が50%以上で最も多く、改善しなかった理由として医療機関への受診控えが約20%であった。
- 専門家の見解: 昭和大学病院の病院長である相良博典氏によると、新型コロナウイルス禍での生活習慣の変化が呼吸器症状に影響を与えたと推察される。
- 追記:
昭和大学病院 病院長である相良博典氏の解説部分を抄出。
「今回の調査結果から、新型コロナウイルス禍での生活習慣の変化が、特に呼吸器症状のある方に影響したことが推察されます。調査結果では、症状が改善したと回答した方のうち「マスクをしたから」と答えた方が50%を超えました。新型コロナウイルス禍でマスクの着用が習慣化したことで、花粉などのアレルゲンの影響を減らすことができた、と考えられます。加えて、「手洗い・うがい」「人との接触を控えた」といった生活習慣の変化により、風邪やインフルエンザなどのウイルス感染を予防することができたため、ウイルス感染による呼吸器症状の悪化を避けることができた方もいたと思われます。
また、呼吸器症状に改善がみられなかった方のうち、「病院・診療所を受診しなかったから」と答えた方が約20%いました。新型コロナウイルス禍中での医療機関への受診控えの影響と考えられます。次に、「マスクではアレルゲンは防げなかったから」「家の中で過ごすことが多く、ハウスダストに暴露されたから」の順で回答率が高く、マスクの着用機会は増えたものの、マスクがアレルゲンの侵入を完全に防げているわけではないことや、着脱時、非着用時におけるアレルゲン侵入の可能性が伺えます」
「本調査結果から、新型コロナウイルス禍が医療機関への受診控えをもたらし、その結果、特に呼吸器症状のある方の自覚症状に影響を及ぼした可能性が推察されました。医療機関で血液検査などのアレルギー検査を受けることは、早期にアレルギーの原因となるアレルゲンを特定し、結果として治療の選択肢を広げることにつながるため、とても重要であると考えています。呼吸器症状の中でも特に喘息は、吸入ステロイド薬や気管支拡張薬などの処方を受けるために、医療機関への受診が必要になります。アレルギー様症状の自覚がある方は、症状の悪化を防ぐためにも、ぜひ早期に医療機関にご相談ください。
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