「うつ病などの精神疾患でもないのに…急に怒りっぽくなった人に潜む病気」という記事が日刊ゲンダイに出ています。先日の私の記事とも合わせて要約をご覧ください。
公開日:2023年04月20日
人が変わったように急に怒りっぽくなった。そんな指摘を受けたことはないだろうか? 心当たりはなく、精神疾患もない。怒りっぽい性格が現れ先鋭化するほどの年でもない。短期間で性格ががらりと変わり、それが長く続くようなら、病気を疑った方がいい。弘邦医院(東京・葛西)の林雅之院長に聞いた。
・怒りっぽくなる代表的病気が高次脳機能障害です。脳梗塞や脳出血、くも膜下出血といった脳血管障害や脳外傷、心肺停止による低酸素脳症など脳を損傷することで発症します。感情障害に加えて記憶障害、注意欠陥障害などの症状が起きます」厄介なのは患者本人も病気の自覚がなく、周囲も見ただけではそれとわからないことだ。
「人によっては軽い脳梗塞やちょっと頭を打った程度でも発症する場合もあり、中高年は注意すべきです」
怒りっぽくなる病気は、ほかに低血糖や甲状腺の病気などがあるが、肝臓の病気も気をつけた方がいい。「肝臓の炎症を放置すると肝硬変になります。これを肝硬変といいます。シャントができて肝臓を迂回すると解毒が不十分になって血液中のアンモニアが増加。それが脳に届くことで肝性脳症となるのです。怒りっぽくなるのもそのひとつです」
前頭側頭型認知症のひとつである「ピック病」も怒りっぽくなる病気だ。「この病気は、40~60代の比較的若い世代が発症する『初老期認知症』の代表的疾患。情緒が病的に不安定になる情緒障害や、人格障害、自制力低下などがあります」
■感染症が原因になることも
更年期障害も怒りっぽくなる病気のひとつだ。更年期障害とは40代以降の男女の性ホルモン分泌量低下が原因となる自律神経失調症に似た症候群のことをいう。「女性の更年期障害は一般的に閉経時期の前後5年に現れます。しかし、男性の場合は本人も気づかないうちに発症しているケースも少なくありません。男性の身体的症状は全身の疲労感や倦怠感などであり、精神的症状は気分の落ち込み、イライラなどですが、更年期障害であることに気づかないケースも多いのです」
ペットから感染する人獣共通感染症のなかにも怒りっぽくなる病気がある。トキソプラズマ感染症だ。「この病気は寄生虫が寄生して感染する病気です。ネコとの接触や加熱不十分な肉の摂取などで感染します。トキソプラズマ原虫は腸内の好中球に潜伏して脳に到達すると怒りっぽくなることがわかっています」
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