清澤のコメント:先の医科歯科大学の発表で取り上げられたドーム状の黄斑症について説明します。強度近視患者眼底で10%ほどもあるという事なので、次回強度近視を見るときはその有無に注目してみたいと思います。
ドーム状の黄斑症(Dome-shaped maculopathy、DSM)は、強度近視と関連する興味深い状態です。
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定義と外観:
- ドーム状の黄斑症DSMは、黄斑の前方に凸面状の突出部(硝子体腔に向かって湾曲)を特徴とします。
- 通常、強度近視(重度の近視)の人々で観察されます。
- 光干渉断層画像法(OCT)を使用して視覚化すると、黄斑はドーム状に見えます。
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病態生理:
- ドーム状の黄斑症(DSM)は、局所的な強膜厚と関連しているようです。
- この厚さの変動は、屈折調整(目の最適な焦点を得るための調整)の過程による非対称な強膜成長から生じる可能性があります。
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臨床的特徴:
- ドーム状の黄斑症(DSM)の臨床的スペクトルはさまざまです:
- 一部の人は無症状です。
- 他の人は歪んだ視覚(メタモルフォプシア)を経験します。
- 年月をかけて徐々に視力が低下することがあります。
- ドーム状の黄斑症(DSM)の視覚障害は、いくつかの要因により引き起こされます:
- 網膜色素上皮の変化
- 網膜下の漏斗状浮腫
- 近視性脈絡膜新生(異常な血管成長)
- ドーム状の黄斑症(DSM)の臨床的スペクトルはさまざまです:
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疫学:
- ドーム状の黄斑症(DSM)は、病院を受診した患者の**約10.7-12%**の強度近視眼で発生します 。
- 強度近視が世界的に広がる中で、ドーム状の黄斑症(DSM)の理解と管理が重要です。
まとめると、ドーム状の黄斑症(DSM)は強膜の生体力学、近視、および黄斑の変化の興味深い相互作用を示しています。研究者は引き続きこの病態を探求しており、OCT技術の進歩により視覚化と理解が向上しています 。
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