緑内障

[No.209] 片側性正常眼圧緑内障患者における乳頭周囲脈絡膜の特徴の眼間比較:論文紹介

清澤のコメント:正常眼圧緑内障(NTG)患者の眼の乳頭周囲脈絡膜(PPC)の特徴を論ずるという論文で、対側の健康な眼よりも高い眼圧(IOP)、眼軸長、薄いPPC(乳頭周囲脈絡膜)、βゾーンPPAの領域面積と最大半径幅、およびより頻繁なMvD(傍乳頭状深層微小血管系ドロップアウト)(それぞれP <0.01)を示したとしています。そのような目で眼底写真を見ているとよいのでしょう。傍乳頭状深層微小血管系ドロップアウトを見るにはOCTアンギオグラフィーが使えるそうです。
公開2021年3月2日DOI: https //doi.org/10.1016/j.ogla.2021.02.003

目的;片側治療未経験の正常眼圧緑内障(NTG)患者の2つの眼の間で乳頭周囲脈絡膜(PPC)の特徴を比較すること。

設計:観察症例シリーズ。

参加者:治療歴のない片側NTGの69人の患者(138眼)。

メソッド:PPC血管系の特性は、PPCの厚さを測定し、傍乳頭状深層微小血管系ドロップアウト(MvD)の存在を評価することによって評価されました。乳頭周囲脈絡膜の厚さは、拡張深度イメージングOCTによって測定されました。微小血管系の脱落は、OCT血管造影法を使用して評価されました。Spectralis OCT(Heidelberg Engineering)の内蔵キャリパーツールを使用して、赤外線画像でβゾーン傍乳頭萎縮(PPA)の面積と最大半径幅を測定しました。

主な成果対策:PPCの厚さ、MvD周波数、およびβゾーンPPAの面積と最大幅の眼間差。

結果:NTGの眼は、対側の健康な眼よりも高い眼圧(IOP)、長い軸方向の長さ、薄いPPC、βゾーンPPAの広い領域と最大半径幅、およびより頻繁なMvD(それぞれP <0.01)を示しました。多変量条件付きロジスティック回帰分析により、IOPが高く、PPCが薄く、βゾーンPPAの最大半径幅が大きく、MvDの存在がNTGのリスクと独立して関連していることが明らかになりました(それぞれP <0.03)。NTGの眼では、MvDの位置と網膜神経線維層の欠陥が地形的に相関していた。

結論:乳頭周囲の脈絡膜血管系の特徴は、片側のNTG患者の反対側の健康な眼よりもNTGの眼の方が著しく損なわれています。

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