◎ ブログを元に、最近の話題を取りまとめてこの「自由が丘清澤眼科最近の話題:長版)と、それから記事を厳選したメルマガの発信をしています。今回(10月27日)で90号。メルマガ読者数は眼瞼痙攣患者さんを中心に(10月26日で)882人になりました。(⇒視聴登録募集。ご登録はこちらから)、登録取り消しも簡単にできます。さて、一度読めていたのに、最近メルマガ配信が中断したという方は、あなたの携帯電話の迷惑メールボックスに入っている可能性がありますので来院時に当院職員にご相談ください。(サムネイルは中野煉瓦坂の豊川稲荷)
① ご近所の話題など
◎ 自由が丘の新しいお店:自由が丘に「幻のレモンケーキ」が登場 ― 徳島の「パール洋菓子店」初出店
自由が丘の街を歩いていると、またひとつ話題のスイーツ店がオープンするという知らせがありました。2024年度にはJR高松駅ビル「高松オルネ」で讃岐うどんを超える売り上げを記録したという「幻のレモンケーキ」。このケーキを生み出した徳島県三好市の「パール洋菓子店」が、ついに東京・自由が丘に進出します。オープンは2025年10月18日(土)、場所は自由が丘デパート1階(目黒区自由が丘1丁目28-8)です。徳島の本店工房に続く2号店になります。(自由が丘では菓子店の開店が続いています。自由が丘デパートは空き店舗が多く、この店が入ることは町にとっても好ましいことです。)
◎ 高市内閣発足とその布陣 ― 現実路線の実務内閣に期待
高市内閣の発足とその布陣を須田慎一郎らが総括しました。日本維新の会は与党に加わりますが閣僚の席は得ませんでした。実力者を配してトランプ大統領とも対峙できる優れた配置と思われます。
◎ 青山繁晴氏が語る「環境副大臣就任」の真意
護る会代表の青山繁晴氏は猟官運動はしないというのが主張でしたが、今回「環境副大臣」に就任されました。その見解を述べています。
◎ 自由が丘でランチ、自由が丘を外れて渋谷駅の天丼屋「天寅」
渋谷スクランブルスクエアの13階、レストランフロアの一角にあります。スクランブルスクエアはJR渋谷駅に直結しており、改札を出て東口方面に進むと自然にビルのエントランスへ導かれます。館内に入ると、エレベーターで12階または13階へ上がる案内が表示されており、13階が飲食フロアです。エレベーターを降りると、高層階らしい開放感のある通路が広がり、和食、洋食、スイーツなど多彩な店が並んでいます。その一角に「天寅」という黒地に白文字の看板がありました。聞くところではこのお店は、嘗て自由が丘北口前ガード下に有ったお店でした。
◎ 永田町は大変なことになっています。
新政権への国民民主党の参画は流れ、日本維新の会が閣外協力ということに急遽変わった模様です。識者の見解も乱れ飛んでおりますが、初の日本の女性首相の誕生は本日見られそうです。
② 一般患者さん向けの眼科の話題
◎ 片眼の下半分が見えにくい(視野欠損) ― 先天性上部視神経低形成SSOHを疑うとき
定期健診で「緑内障の疑いがある」と言われた患者さんが来院されました。OCT(網膜神経線維層解析)ではほぼ異常がなく、視神経の形も正常。ところが視野検査では片眼の下半分の感度が低下しています。このような場合、「先天性上部視神経低形成(superior segmental optic nerve hypoplasia:SSONH)」という先天的な視神経の発達異常を考えることがあります。
◎ 網膜芽細胞腫 ― 小児に発症する目のがんと家族の歩み;記事紹介
1歳で発症した「白く光る片目」;網膜芽細胞腫(もうまくがさいぼうしゅ)は乳幼児の網膜に発生する悪性腫瘍で、小児がんの中でも最も早く発症する疾患の一つです。千葉加代さんの長女・木綿華(ゆふか)さんは、1歳2か月で右目の異常を発見され、国立がん研究センターで診断を受けました。
◎ 進行性外眼筋麻痺患者の子供が同病を持って生まれてくる可能性はどの程度ですか? (前回の進行性外眼筋麻痺記事からの展開です)
進行性外眼筋麻痺の多くはミトコンドリア遺伝子異常が原因で、母親から子へ伝わる可能性がある病気です。女性患者が母親になる場合、子ども(男女とも)に病気を伝える可能性はありますが、症状の出方はさまざまです。男性患者からは遺伝しません。家族計画を考える際には、ミトコンドリア病に詳しい遺伝専門医や臨床遺伝士による相談を受けることが大切です。
③ 此処からは論文紹介など眼科のやや専門的、学術的な話題です
◎小児の近視管理最前線 ― 今こそ知りたい!
近視はかつて「眼鏡で矯正すればよい」ものと考えられてきましたが、現在は「進行性の病気」として捉えられています。小児期に近視が始まると、成人期の強度近視につながり、網膜剝離・緑内障・近視性黄斑症など重い視覚障害の原因となり得ます。だからこそ、子どものうちから進行を抑えることが、将来の失明予防につながります。
◎ 米国で若年層にも拡がる「認知障害」―10年間で倍増した新たな公衆衛生課題
10年間で、自己申告による認知障害の年齢調整後有病率は5.3%(2013年)から7.4%(2023年)へと増加しました。特に注目すべきは18~39歳の若年層で、5.1%から9.7%へとほぼ倍増しており、この層が全体増加の主因とされています。
◎ 低濃度アトロピン点眼液による近視進行抑制治療の手引き(日本近視学会)の要約です
◎ 身体の「フレイル」と認知症 ― 体の衰えは脳にも影響する?
近年、高齢者の健康を語るときに頻繁に耳にする言葉のひとつが「フレイル(frailty)」です。これは、加齢に伴う筋力や体力、認知機能の低下が重なり、ちょっとしたストレスでも体調を崩しやすい状態を指します。JAMA(米国医師会雑誌)の2025年10月3日号で紹介された社説では、この「身体のフレイルが認知症の発症に深く関わっている」という新しい研究結果が紹介されました。
◎ 世界のがん負担、2050年には1.8倍に ― Lancet報告が示す未来予測
1990年から2023年の33年間で、がん死亡は74%増加。危険因子によるがん死(喫煙や肥満など)も72%増していました。今後については、2050年までに、新規患者数は 3,050万人(+60.7%)。死亡者数は 1,860万人(+74.5%)
に達すると予測されています。中でも増加が著しいのは、低所得・中所得国(+90%以上)であり、先進国の増加(+40%程度)を大きく上回ります。
◎ 出生前の殺虫剤クロルピリホス曝露と子どもの脳発達異常;論文紹介
2025年8月に米国医学誌 JAMA Neurology に掲載された最新研究。妊娠中に農薬クロルピリホス(chlorpyrifos, CPF)に曝露された子どもたちの脳発達に長期的な影響を及ぼす可能性を報告しました。クロルピリホスは「有機リン系殺虫剤」と呼ばれる種類に属します。これは神経に作用する化学物質で、昆虫の神経伝達物質分解酵素(コリンエステラーゼ)を阻害し、殺虫効果を示します。しかし、その毒性は人間の神経系にも及ぶことが知られています。
④ 眼瞼痙攣、ビジュアルスノウなど神経眼科関連の話
◎ 眼瞼痙攣 ― 脳の中では何が起きているのか?
まぶたが勝手に閉じてしまう「眼瞼痙攣(がんけんけいれん)」は、見た目には目のまわりの筋肉の問題のように思えます。けれども、最近の研究では、原因は脳の中の「つながり方」そのものにあるのではないかと考えられるようになっています。脳は一つの塊ではなく、たくさんの部位が電線のようなネットワークで結ばれていて、そこを電気信号が行き来することで、私たちは目を開けたり閉じたりもしています。
◎ マインドフルネスと「ビジュアルスノウ症候群」の出会い
ロンドンを拠点に神経眼科医として活動するスイ・ウォン医師は、長年にわたり「ビジュアルスノウ症候群(Visual Snow Syndrome:VSS)」の患者を診療してきました。VSSは視界に常に「砂嵐のようなノイズ」が見える難治性の症状で、頭痛やめまい、集中力低下を伴うこともあります。原因は脳の視覚処理ネットワークの調整異常と考えられています。ウォン医師は、神経科学研究に従事する傍ら、生活習慣や「マインドフルネス(心の気づき)」を通じて健康を整える方法の研究を始めました。



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