
明朝体が読みにくい? 低視力・コントラスト感度低下と「メイリオ」の相性を考える
当院ブログを読んでくださっている患者さんから、「明朝体は見づらいので、ゴチック体(特にメイリオ)がよいのでは」というご提案をいただきました。そこで今回は、視力が弱い方、特にコントラスト感度が低下している方にとって、明朝体とメイリオがどのように感じられやすいかを、文字の特徴から整理してみます。
コントラスト感度が低いと「細い線」が先に消える
コントラスト感度は、白黒のはっきりした文字だけでなく、灰色がかったような差の小さい情報を見分ける力です。これが低下すると、同じ視力でも「かすむ」「輪郭が溶ける」「細部が落ちる」と感じやすくなります。文字では特に、細い線・小さなはね・弱いコントラストが読みにくさにつながります。
明朝体(セリフ体)が不利に感じられる場面
明朝体は、横線が細く縦線が太いなど**線の太さに強い差(ストロークコントラスト)**があり、さらに「うろこ(セリフ)」や「はね・はらい」といった繊細な要素が含まれます。紙の印刷物や十分なサイズでは美しく読みやすい一方、画面上で小さく表示されたり、コントラスト感度が低い場合には、細い横線や装飾が欠けて字形が崩れ、「疲れる」「判別しにくい」と感じることがあります。
ゴチック体(サンセリフ)が有利に感じられる場面
ゴチック体は一般に、線幅が比較的一様で、装飾が少なく、文字の骨格が太めに確保されやすい書体です。そのため、低視力やコントラスト感度低下があるときに、字画が途切れにくい/輪郭が残りやすいという利点が出やすいと考えられます。また、日本語フォントでは「太さ」が可読性に影響し、太すぎても潰れて読みにくくなる、という議論もあります。
ただし、注意点もあります。低視力の条件で「セリフの有無」そのものが常にサンセリフ優位とは限らず、疾患や条件によっては**“セリフ+線幅の均一さ”が有利とする研究もあります(例:低視力条件での字体特徴の組合せの比較)。
つまり、「万人に絶対これ」というより、“細い線が消えない”“潰れない”範囲で、読みやすいものを選ぶ**のが実務的です。
メイリオの語源と特徴(なぜ読みやすいと言われるのか)
**メイリオ(Meiryo)は、Windowsの画面表示での読みやすさを重視して設計された日本語ゴシック体で、名称は日本語の「明瞭(めいりょう)」**に由来します。
また、液晶画面での見やすさを高める **ClearType(サブピクセルレンダリング)**との相性を意識して作られ、従来フォントより画面上の可読性向上を狙った、と説明されています。
さらに、サイズごとのビットマップに頼らず、各サイズでスムージング処理が前提になっている点も特徴として挙げられています。
まとめ:ブログでの現実的な工夫
結論として、コントラスト感度が低下している方では、明朝体の「細い要素」が負担になり、メイリオのようなゴチック体が読みやすく感じられることは十分に起こり得ます。一方で、読みやすさは文字サイズ・太さ・行間・画面環境にも強く左右されます。ブログ運用としては、
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本文はメイリオ等のゴチック体を基本にする
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小さすぎる文字を避け、行間を少し広めにする
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強調は「太字+余白」で、下線や細字多用を避ける
といった方針が、多くの方にとって“読みやすさの底上げ”になります。
患者さんからの実用的なご提案は、診療室の外で起きている困りごとを教えてくれる貴重な情報です。ブログは医療情報の入口でもありますので、今後も「読みやすさ」自体を大事な医療コミュニケーションとして改善していきたいと思います。



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