今回、私事ではありますが、横浜市南部に位置する横浜市立大学付属病院より客員教授の称号をいただき、月に数回、眼科外来において若手医師の指導のお手伝いをさせていただくことになりました。これまで東京医科歯科大学と地域医療の現場で培ってきた臨床経験を、大学病院という教育・研究の場に還元できる機会を得たことを、大変ありがたく感じています。
横浜市立大学病院は、横浜市金沢区にある横浜市立大学附属の基幹病院で、横浜南部医療圏を支える高度急性期医療の中核を担っています。大学病院としての特徴は、専門性の高い診療と研究、そして次世代の医師を育てる教育機能を三位一体で進めている点にあります。市立大学という成り立ちから、地域医療との結びつきが強く、患者さんに寄り添った医療を重視している点も大きな特色です。
同院眼科の責任者は**水木教授**で、教室としての主たる研究テーマは「ぶどう膜炎」を中心とした眼免疫・炎症性疾患です。ぶどう膜炎は原因が多岐にわたり、全身疾患や免疫異常と密接に関係するため、診断・治療には幅広い医学的視点が求められます。横浜市立大学眼科では、この分野において国内外に発信できる研究と臨床の蓄積が進められています。
私がこれまで関わってきた専門分野の一つに「神経眼科」があります。神経眼科は、脳神経内科や脳神経外科と眼科をつなぐ領域で、視野の異常、眼球運動障害、視神経疾患などを主な診療対象とします。一見すると専門性が高く限られた分野に思われがちですが、実際には一般眼科診療の中で遭遇することも多く、早期に異常に気づけるかどうかが患者さんの予後を左右する場面も少なくありません。その意味で、神経眼科の基本的な考え方や診断の視点は、一般眼科医にとっても重要な知識といえます。
また、眼の免疫・炎症という観点では、神経眼科とぶどう膜炎領域は互いに重なり合う部分が多く存在します。視神経炎や中枢神経疾患に伴う眼症状など、両分野の知見を横断的に理解することが、より適切な診療につながります。こうした点でも、私がこれまで培ってきた経験を若手医師に共有できる余地があると考えています。
今回の大学病院での役割は、特定の患者さんを継続的な主治医として担当することではありません。あくまで若手医師が診療にあたる際に、「この患者さんにとって、どの治療の道筋が最も望ましいか」「いつ、どの専門科と連携すべきか」といった判断を助言する立場です。患者さんの立場に立って最善の選択肢を考える姿勢を、次の世代の医師に伝えていくことが、私に与えられた役割だと受け止めています。
横浜市立大学病院眼科、そして横浜市南部を中心とした地域の患者さん方に対して、直接・間接を問わず、何がしかのお役に立てるよう努めてまいります。日々の診療を大切にしながら、大学病院という場でも学びと貢献を重ねていきたいと考えています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。



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