結膜炎・花粉症・ものもらい (結膜疾患)

[No.4480] ピレスロイド系の噴霧殺虫剤が目に飛入したら。

ピレスロイド系殺虫剤が目に入ったら?―2歳のお子さんのケースから―

ご家庭でよく使われる噴霧式の殺虫剤には、「ピレスロイド系」と呼ばれる成分が含まれていることが多くあります。これは蚊やハエなどの神経に作用する成分で、人に対する毒性は比較的低いとされています。しかし、「目に入った」となると話は別で、強い刺激症状が出ることがあります。

今回のケースでは、2歳のお子さんの右目に殺虫剤が飛入し、強い痛みで泣いたとのことでした。すぐに水で洗い、さらにシャワーで十分に流したところ、泣き止んだとのことです。診察時には軽い充血のみで、まぶたの動きや瞳孔の反応も正常でした。その後も追加で洗眼を行いました。

ピレスロイド系が目に入るとどうなるの?

多くの場合、主な症状は

・強いしみるような痛み

・流涙

・充血

・まぶしさ

です。これは薬剤そのものの刺激によるもので、アルカリや強酸のような“化学やけど”を起こす物質ではありません。そのため、早期に十分な洗眼が行われれば、重い障害に進むことはまれです。

今後注意すべきこと

とはいえ、いくつか注意点があります。

① 角膜びらん(黒目の表面の傷)

刺激でこすってしまうと、角膜の表面に細かい傷がつくことがあります。

症状としては

・痛みが続く

・目を開けにくい

・涙が止まらない

などがあります。

通常は数日で自然に治りますが、症状が続く場合は再診が必要です。

② 遅れて出る炎症

当日は軽症でも、翌日に充血や目やにが増えることがあります。これは表面の炎症が遅れて出るためです。強くなる場合は点眼治療を行います。

③ 二次感染

小さな傷がある場合、まれに細菌感染を起こすことがあります。

・黄色い目やに

・まぶたの腫れ

・痛みの増強

があれば受診してください。

今回の経過について

このお子さんの場合、

・すぐに大量の水で洗った

・診察時に角膜混濁や潰瘍なし

・瞳孔反応正常

・軽い充血のみ

という点からみて、重篤な合併症の可能性は低い状態と考えられます。

もっとも重要だったのは「すぐに十分な流水で洗ったこと」です。これは非常に適切な対応でした。

ご家庭での対応のポイント

  1. すぐに流水で15分程度洗う

  2. こすらない

  3. 痛みが強い、開けられない場合は眼科受診

  4. 翌日も様子を見る

小さなお子さんは症状をうまく説明できません。

・光を嫌がる

・目を触り続ける

・片目を閉じている

といった様子があれば、念のため再診してください。

まとめ

ピレスロイド系殺虫剤が目に入った場合、多くは刺激性の一過性結膜炎で終わります。早期の洗眼が最も重要です。今回のように適切に洗浄され、診察でも軽症であれば、重い後遺症の心配は通常ありません。

ただし、痛みが長引く場合や症状が悪化する場合は、遠慮なく再受診してください。

「すぐ洗う」「様子を見る」「変なら受診」――これが基本です。

小さなお子さんの事故は突然起こります。噴霧時は顔の高さにかからないよう、十分ご注意ください。

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