白内障

[No.4581] 自由が丘でランチ :ひしおのきせき ― 醤油の香りを味わう淡麗ラーメン

自由が丘でランチ

ひしおのきせき ― 醤油の香りを味わう淡麗ラーメン

 自由が丘駅の近くに、少し気になる名前のラーメン店があります。店名は「ひしおのきせき」。丼に記された山ノ下の水滴がマークです。場所は自由が丘駅の中央口から南口へ抜ける踏切の脇、線路に沿った通りの一角です。駅から歩いてすぐの距離で、電車の音が時折聞こえるような場所にあります。私がこの店を訪れたのは今回で3回目ですがいつも夕方です。今回このブログでの紹介も2度目になりますが、駅の近くとは思えないほど落ち着いた雰囲気があり、ついまた足を運びたくなるお店です。

 店に入ると、まず入口の券売機で食券を購入します。いわゆるラーメン店によくある方式ですが、この店ではその後の調理がとても丁寧で、どちらかというと小さな専門料理店のような印象を受けます。店内は白木のカウンターが中心で、およそ10席ほど。木の質感が生きたシンプルな内装で、清潔感があります。店の構えは京都の町やか何かのような雰囲気です。厨房では男性の店員さんが二人で手分けして仕事をしており、無駄のない動きで次々とラーメンを仕上げていきます。

この店のラーメンは、いわゆる「濃厚系」ではなく、澄んだスープを特徴とする淡麗系です。器に注がれるスープは透明感があり、まず香りのよさが印象に残ります。麺は細く、ほとんど縮れていないストレート麺で、スープをよく引き立てる軽やかな食感です。濃厚な脂の旨味で押すタイプではなく、素材の味と醤油の香りを楽しむラーメンと言えるでしょう。

具材も特徴的です。一般的なラーメンの具材である豚チャーシューに加えて、鶏の胸肉が使われています。柔らかく火入れされた胸肉はあっさりとした味で、スープとの相性がよく、上品な印象です。さらにホタテ貝が添えられているのもこの店の特徴で、魚介の旨味が全体の味に奥行きを与えています。ほかにメンマとゆで卵が乗せられており、見た目もどこか整った料理のような一杯になっています。

スープには二種類があり、透明感のある淡い色のものと、やや黒みを帯びた醤油色のものがあります。どちらも醤油を基調にしたスープですが、使われている醤油の産地や種類が異なるようで、それぞれ香りやコクの印象が少し違います。淡い色のスープはやや軽やかで、素材の旨味が前に出るタイプ。もう一方は醤油の風味がより強く、香ばしさと深みが感じられます。いずれも塩分が強すぎることはなく、最後まで飲めてしまうような穏やかな味わいです。

店名の「ひしお」は、古くから日本で使われてきた発酵調味料の呼び名です。醤油や味噌の源流とも言われる言葉で、食文化の歴史を感じさせる響きがあります。そして「きせき」という言葉は、おそらくその醤油文化から生まれた味わいの広がり、あるいは醤油を中心とした料理の奥深さを象徴しているのかもしれません。店のラーメンが「醤油の個性」を丁寧に表現していることを考えると、この名前には料理への思いが込められているようにも感じられます。

営業時間は昼と夕方に分かれているようで、私の印象では昼の時間帯のほうがやや混雑しています。自由が丘は飲食店の多い街ですが、この店は比較的落ち着いた客層で、静かに食事を楽しむ雰囲気があります。場所は駅から近いものの、踏切の脇という少し目立たない位置にあるため、知らないと通り過ぎてしまうかもしれません。

 自由が丘にはさまざまなジャンルの飲食店がありますが、この「ひしおのきせき」は、ラーメンでありながらどこか和食のような繊細さを感じさせる店です。濃厚なラーメンとは対照的な、醤油の香りと透明なスープを楽しむ一杯。自由が丘でランチを探している方には、こうした少し上品なラーメン店も一度試してみる価値があると思います。私自身も今回で三度目の訪問でしたが、また近いうちに、別の醤油のスープを試しに行ってみようと思っています。

 このお店は、美観街にある麺屋うらたの姉妹店だそうです。

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