網膜カンファレンス:左目下半分に滲出物を伴う漿液性剥離。下方網膜には多数の小動脈瘤と出血があり、斑状の萎縮を伴う。鑑別診断はCoats病など。診断が当たってよかったでは済まされないが一応は合格。このうちいくつの鑑別を示せるか?RAMはRetinal Arterial Macroaneurysm, IRVANはIdiopathic retinal vasculitis, aneurysms, and neuroretinitis or IRVAN syndrome
症例集では平均6歳、男性に多く、左右眼は同率で片眼性がほとんど。この症例は40歳と高齢発症な点が特異的。異常なペリサイトと内皮により血漿が網膜と網膜下に漏出する。
今日のキー文献は:Acta ophthalmologica 2017年9月;95(6):608-612。房水のVEGF濃度が違う。
コーツ病の小児患者と成人患者におけるサイトカインの房水濃度の違い
DOI: 10.1111 / aos.13151
目的: コーツ病の小児および成人患者における血管内皮増殖因子(VEGF)および炎症性サイトカインの異なる水性濃度を調査すること。
方法: コーツ病患者20人の合計20眼、小児患者12人の12眼、成人患者8人の8眼、小児対照群として先天性白内障の患者6人(6眼)、患者10人(10眼) )成人対照群として老人性白内障を用いて調べた。水性体液サンプルは、インターロイキン-6、-8、-1β(それぞれIL-6、IL-8、IL-1β)、塩基性線維芽細胞増殖因子、単球化学誘引物質タンパク質1、腫瘍壊死因子αおよびVEGFについて評価されました。マルチプレックスビーズアッセイ。
結果: 重要なことに、コーツ病の小児患者では、より高濃度のVEGF、IL-6、およびIL-1βが検出されました(p = 0.001、p = 0.004、およびp = 0.006)。コーツ病のステージ3Bの小児患者におけるVEGFの濃度は、ステージ3Aの濃度よりも有意に高かった(p = 0.010)。コーツ病の成人患者では、IL-6およびIL-1βの水溶液レベルは対照よりも有意に高かった(p = 0.012、およびp = 0.005)。IL-6の濃度は、滲出性網膜剥離の程度と有意に直線的に関連していた(p = 0.003、R = 0.892)。
結論: コーツ病の重症度の増加は、小児患者の眼内VEGF濃度と有意に関連しています。また、IL-6は、コーツ病の成人患者の炎症過程に関与している可能性があります
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