神経眼科

[No.1226] そこにない物が見える ~飛蚊症も幻視の一種~ 若倉先生記事

清澤のコメント:若倉先生が幻視を解説した記事を時事通信に配信されました。

幻視は、画像の要素ではあるがそれ自体が患者さんにとっての意味を持たない要素的幻視と、実際に虫や人、ハンカチのような模様のようにそれ自体に意味を付けられる複雑幻視があります。一般眼科診療では要素性幻視を見ることが多く、一方神経眼科の臨床の場では特に複雑幻視のシャルルボネ症候群や、認知症の一つであるレビー小体病などでの幻視を訴える患者さんに出会うことがあります。幻視の診断では、まずこのどちらかであるか?を考えると次に進みやすいでしょう。

(栗原恵理子2011)から:幻視の種類には光視(要素的幻視)と複雑幻視(複合幻視)があり,前者は単色あるいは多色の光の知覚で,点,星,線,すじ,曲線,円,火花などと形容される単純なものである(Kölmel 1988)。これに対して後者の複雑幻視は人,動物,風景のような複合的な内容のもので,光視と同様に脳血管障害後の同名性半盲に伴って生じる他に,中脳,脳幹損傷後やパーキンソン病,レビー小体型認知症において出現することが知られている(平山ら2006)。また,未だ定義が明確でないものの,おもに末梢性の視覚障害を原因として生じる幻視の病態として古くより Charles Bonnet 症候群が知られており,この場合も複雑幻視にわけられる。

    ーーーー若倉記事ーーーー

そこにない物が見える ~飛蚊症も幻視の一種~

配信

時事通信

飛蚊症の正体(井上眼科病院HPより)

 ◇片頭痛の前兆

 ◇稲妻を感じる

 ◇小雪が舞っているように見える

 ◇シャルルボネ症候群

シャルルボネ症候群の人が描いた幻視像。パソコン画面を見ようとしても幻視が邪魔をする(セアまりさん提供)

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