鼻涙管閉塞に伴う流涙に対して施されるNSチューブの涙小管に対する挿入について、適応と手技を説明してください。
鼻涙管閉塞による流涙に対して行われるNSチューブの挿入は、涙液の排出が正常に機能しない場合に適用されます。涙小管閉塞の改善を図るため、涙小管および鼻涙管にNSチューブを挿入し、涙液の通り道を確保します。この方法は、特に涙小管の狭窄や閉塞、涙嚢鼻涙管の閉塞を伴う患者に適応されます。
適応
- 涙小管や鼻涙管の閉塞により涙液排出が不良な場合
- 繰り返す涙嚢炎など、涙液の貯留による感染が懸念される場合
- 保存的な治療が効果を示さない流涙が持続している場合
手技
- 局所麻酔: 手技の痛みを軽減するため、局所麻酔剤を涙小管周辺に注入します。
- 涙小管の拡張: 特殊な涙小管拡張器具を使用し、涙小管の入口を拡張します。
- ブジー(探針)の挿入: ブジーを涙小管に挿入して、閉塞の程度や位置を確認し、通過性を確保します。
- NSチューブの挿入:
- シリコン素材のNSチューブを用意し、一方を上涙小管に、もう一方を下涙小管に挿入します。
- 涙嚢を通して鼻涙管までチューブを挿入し、通過性が確保されたことを確認します。
- チューブの固定: チューブの位置が適切に維持されるよう、鼻腔内で固定します。
- 術後ケア:
- 患者には、術後に軽度の異物感がある場合がありますが、抗生物質の点眼や涙道洗浄を定期的に行い、感染予防に努めます。
- 約3~6か月経過後にチューブを抜去しますが、必要に応じて期間を延長することもあります。
注意点
- チューブのずれや脱落を防ぐため、術後は患者に過度な鼻のかみ方を控えるよう指導します。
- 術後に軽い痛みや出血が生じることもありますが、通常は一過性です。
この治療法は涙液排出の改善に高い効果が期待でき、涙小管や鼻涙管の通過性の維持に役立つ手技です。
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