ドライアイ

[No.730] 【剤形追加】ジクアスLX: 点眼回数を1日3回に軽減したドライアイ点眼薬を発売

本日、参天製薬の方がパンフレットを持ってきてくださいました。発売ではなく、現在は発売準備中で、実際の発売は秋になるそうです。
清澤のコメント: 現時点で具体的には、ヒアルロン酸ナトリウム(ヒアレイン他)や人工涙液が用いられている。2010年には、細胞内カルシウムイオン濃度を上昇させ、水分およびムチン分泌を促進させるP2Y2受容体作動薬のジクアホソルナトリウム(ジクアス点眼液3%)、2012年より結膜および角膜でのムチン産生を促進すると共に、角膜および結膜上皮障害改善効果を示すレバミピド点眼薬(ムコスタ)が臨床使用さている。その点眼回数の順守が叫ばれているが、実践はなかなか難しいです。それに対する答えがこの製剤です。ジクアスがこのジクアスLXに代わってゆくことが予想されます。
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【剤形追加】ジクアホソルナトリウム(ジクアスLX)
点眼回数を1日3回に軽減したドライアイ点眼薬

2022/07/15 北村 正樹=医薬情報アドバイザー 2022年6月20日、ドライアイ治療薬のジクアホソルナトリウム(商品名ジクアスLX点眼薬3%)の製造販売が承認された。用法用量は「1回1滴、1日3回点眼」となっている。

 ドライアイは、「様々な要因により涙液層の安定性が低下する疾患であり,眼不快感や視機能異常を生じ,眼表面の障害を伴うことがある」と定義されている。具体的には、眼が乾く、ゴロゴロするという不快感程度の症状から始まり、悪化すると日常生活にも支障を来す。近年、パソコンやスマートフォンなどの凝視や、エアコンなどによる室内乾燥、コンタクトレンズの長期・長時間装着などがリスクファクターとしてドライアイ患者が増加しており、日本では約2000万人超の患者がいると推定されている。

 現時点では、ドライアイに根本的治療法はなく、涙液分泌量低下などを補う点眼薬による対症療法が中心となっている。具体的には、以前よりヒアルロン酸ナトリウム(ヒアレイン他)や人工涙液が用いられている他、2010年には、細胞内カルシウムイオン濃度を上昇させ、水分およびムチン分泌を促進させるP2Y2受容体作動薬のジクアホソルナトリウム(ジクアス点眼液3%)、2012年より結膜および角膜でのムチン産生を促進すると共に、角膜および結膜上皮障害改善効果を示すレバミピド点眼薬(ムコスタ)が臨床使用されている。

 ドライアイ治療では、それぞれの点眼薬の用法通りの回数を点眼する必要があるが、従来の点眼薬では1日の点眼回数が多く、必要回数を点眼できない患者が多いという実態があった。

 ジクアスLXは、同一有効成分の既存薬であるジクアスと同じP2Y2受容体作動薬であり、粘稠化剤としてPVP(ポリビニルピロリドン、別名ポビドン)を新たに添加することで点眼回数を低減した、日本初の1日3回ドライアイ点眼薬である。また、有効成分ジクアホソルナトリウムの非臨床試験から、結膜上皮および結膜胚細胞上のP2Y2受容体に作用し、細胞内カルシウムイオン濃度を上昇させ、水分およびムチン分泌促進作用を示す。また、角膜上皮の膜結合型ムチンの発現・産生促進作用、涙液中脂質を増加させる作用も有している。これらにより、涙液を量的・質的の両面から改善し、ドライアイの症状および角膜上皮障害を改善すると考えられている。

 ドライアイ患者を対象としたプラセボ対照比較試験(第III相、検証的試験)において、同薬の優越性が検証された。さらに、1日6回点眼の既存薬とのオープンラベルクロスオーバー比較試験(第IIIb相、探索的試験)においても、点眼遵守率は既存薬と比べ同薬の有意性が確認された。また、両臨床試験で同薬の安全性が確認された。

 副作用として、主なものは眼刺激、眼脂(1~5%未満)、眼の異常感(乾燥感、違和感、ねばつき感)、眼のそう痒感、結膜充血、疼痛(0.1~1%未満)などが報告されているので十分注意する必要がある。

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